アラタ・ナルをふくめて、謎めいた行動をしていた人物の来歴や動機が全て明らかになり、トゥルースとの決戦が始まった……というところで、いったん中断。
とりあえず、登場人物の真意や、その落としどころは納得がいった。エネルギー生産が病気を生むが、その患者は自身と世界を肯定しようとしているところも、現代社会の寓意として興味深い。その以前から描写されてきた病気が、トゥルースと人類の決戦へ導く流れもいい。
もちろんBONES作品の終盤らしく、作画も極めて良好だった。板野サーカスはもちろん、食卓をかこんだ人物芝居なども素晴らしい。
むろん、露骨に物語が終わっていないことは残念だ。連続アニメが終盤で中断されるケースとしては完結編が早く放映される部類だし、そもそも話数から考えて脚本的には当初の予定通りなのだろうが。設定上の謎はほとんど解かれたので、よほどのことがなければ完結編で物語が崩壊しないだろうと信頼しておく。
あと、レントンの声優として藤原啓治が登板するとは思いもよらなかった。前作や劇場版で主人公を導くように見せて抑圧したホランドの移し身ということだろうし、たぶん今作の表現からするとホランドへ救いを与えるようなつくりになるだろう。
ただ、前作も劇場版もホランドは生き残っているのだから、登板させることは可能なはず。少年の声優に女性を選び、成長した後にどう表現するかという問題なのかもしれない。
