作画監督は小島彰。キャラクターにまつげが描きこまれていて、ちょっと高年齢向け少女マンガみたいだ。
今回の物語では、先輩プリキュアに現プリキュアが認めてもらおうと奮闘する姿と、師でもある父から認められず鬱屈する和菓子職人の青年が重なりあう。つまるところ今シリーズのフォーマットにそった内容。
そして主人公は問題に対応する答えを出すのではなく、認めてもらいたいと願うべき相手が先輩や父ではないことに気づく。問題自体を設定しなおす結末には説得力も爽快感もあった。同時に、まだキュアムーンライトを仲間にできないシリーズ構成上の制約を、御都合主義と感じさせずに回避したといえる。
しかし、青年がたどりついた結論を最初から知っていたかのように父がふるまう姿は、少し首をかしげた。口頭で教えようとしない前半の父との一貫性から考えても違和感がある。子供と父親が対立したままでは子供の視聴者に良くないという理由は推測できるが、青年の答えは祖父が認め、父自身ははっきりと言葉に出さないという結末でも良かったのではないかと思う。
あと、岩井隆央演出は日常描写に比べて戦闘演出が弱い印象があるのだが、今回は別の問題もあったらしい。
デザトリアンのアクションで微妙に独自性が出てない*1と思っていたら、菓子を直接的に怪物化する描写には自主規制があったそうだ。
脚本担当の井上美緒自身ははっきり記憶していないそうだが、菓子会社がスポンサーしている関係だろうか。
それから、お婆ちゃん時代にはサバーク博士がいなかったという話は、どう考えても正体の伏線だろう。もっと意外性ある展開にするか、視聴者に予想させながらのめりこませるドラマを描いてほしいところだが、さてどうなるか……