……井上敏樹脚本がひどい。相互に深く関連することなく、ありきたりで浅い展開が雑然と並行するばかり。せっかくの時系列をずらす手法も、あっさり流しているために驚きに繋がらない。
特に、『水からの伝言』を無批判に肯定的な描写をしていたことに驚きあきれた。事前に知ってはいたが、トンデモネタなりにSF描写の説得力を増したりする使い方ですらない。気象研究を行い、特に雪を対象としていた……といった設定で充分な使い方だ。
kikulog
コメント欄に『仮面ライダー THE FIRST』の話があり、オーディオコメンタリーやスタッフインタビューの情報がある。どうも一応は「トンデモがかっている」と感じているようで、全面的な信奉ではないらしいが、となると料理の仕方に問題があるということか。
東映ベテランの長石監督が信じてしまっているらしいというところも痛い。特撮番組の各話演出は嫌いではないのだが。
映像面は、そう悪くない。
特撮をあまり使用しない純粋な殺陣が多いのは、低予算ゆえかもしれないが、脚本に反してリアリティがあった。
襟足の頭髪が見えるという、旧TV特撮の欠点を逆手に取ったデザインワークも素晴らしい。マンガ『仮面ライダーSPIRITS』で先行した手法だが、実写映画でもヒーローの肉体性を感じさせたのは正直いって驚いた。