TVアニメ『未来少年コナン』で、人気の高いギガント編3話を編集した映画。
『崖の上のポニョ』より前に海を舞台とした宮崎駿作品……というには、映画で使われている場面が飛行中の映像ばかりだが。
まず、1時間にも満たない短い総集編だというのに、開始10分くらいしてようやく主人公コナンが姿を現す*1のは、何の冗談かと思った。
また、メカが登場する戦闘シーンばかり集めた意図はわかる。しかし脱出をめぐるアクションで、コナンが一瞬レプカを助けようとする場面を削除しているのはひどすぎる。
レプカの脱出艇に乗り移ろうとするコナン。それを防ごうと殴りかかるレプカは、体をいれかえられてしまう。
落ちそうなレプカは脱出艇にしがみつこうとして、それを見たコナンは助けようとする。
しかし大勢の乗組員が殺到し、レプカを落としてしまう。助けを求めるかのような悪人達の表情が一瞬だけ映り、複雑な表情で見おろすコナン。
ここの助けようとする場面を入れていないため、体をいれかえたため落ちたレプカを無言でコナンが見下ろすという、残酷な描写になってしまっているのだ。いや、驚いた。
そういうキャラとして演出しているならともかく、大した理由もなくTVと全く違う主人公になってしまっているのでは、さすがに擁護しようがない……
BGMもぶつ切りで編集があからさま。
不評は知っていたが、なるほど確かに珍作と考えるしかない。
いや、ある意味では、面白かったが。疑似科学や歴史修正主義とは関係なく、制作者の意図しない視点で楽しめるタイプのトンデモ。
*1:台詞やナレーションでは名前が出ている。