法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

歴史探偵、自虐史観の病理を糾弾する

愛国者の条件』*1巻頭対談より引用*2

戸高 でも、わざわざ政治が動かずとも、僕は国民の大多数は健全な愛国心を持っていると思いますよ。決して過度なナショナリズムに偏らないし、自虐史観一辺倒でもない。
半藤 そう、だから僕も冗談交じりに「ナショナリストほど自虐史観に染まっている」と言うんです。最近、よく陰謀史観というものが語られるでしょう。張作霖爆殺事件も満州事変もスターリンの陰謀だったとか。歴史を精査していくことは大切だし、実際にそういう側面もあったことでしょう。だけど何でも陰謀にしてしまっていては、日本はあらゆる陰謀に引っかかる、とんだマヌケな国ということになる。それこそ自虐的な考え方じゃないかとね。

自国の戦争犯罪を認めようとしないがために、陰謀や情報戦に騙され負け続けていると主張してしまう愚かしさは、たとえばApeman氏らもよく皮肉っている*3。しかし右派からの指摘は少々珍しいかもしれない。


ちなみに、張作霖爆殺陰謀論については、下記ページがくわしい。
張作霖爆殺事件2
ネットにおける富田メモ“検証”を半藤氏が知っていることから考えれば*4、この陰謀論言及もいくらかネットを意識してのことかもしれない。

*1:読了したが、まとまった感想は後日。

*2:22頁

*3:http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20071023/p1

*4:文藝春秋』2006年9月号における保阪正康氏、秦郁彦教授との鼎談で、ネット上の騒動が少し話し合われていた。http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060810/p3