法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第1話 緑の目のエリン

戦争の道具として用いられる獣「闘蛇」を育てる村で、獣の医師である母「ソヨン」に憧れる娘「エリン」の物語。
精霊の守り人』と同原作者、同制作会社という布陣。ただし制作協力会社や、主要制作スタッフはほぼ総入れ替え。シリーズ構成の藤咲淳一には、あまり良い印象がない。初回の脚本でもナレーションと説明台詞が多すぎて、しかもこなれていないから、情報が頭を素通りして残らない。
娘の王道なキャラクター性は出ていたし、NHKアニメは後半から物語が盛り上がることが多いものの、脚本は今後も不安要素。


東洋風ファンタジーアニメは『十二国記』あたりからNHKが継続して制作しているが、今作は時間帯を考慮したためか、最も子供向けの絵柄。シンプルなデザインのキャラクターに、絵本のような背景画。戦場も作画枚数こそ潤沢に用いているが、あまり緻密な印象はない。
しかし残虐な場面になると、一見するとラクガキのなイメージ映像が用いられ*1、むしろ克明にアニメートした虐殺シーンより恐怖感があった。戦争の悲劇を伝える教育アニメではまれに見られる演出だが、こういうアニメで見るのは珍しく、単純に映像表現として面白い。
あと、スキマスイッチのOP主題歌、古臭さが逆にノスタルジーを生むOPEDの作画演出も良かった。

*1:おそらく作画担当は原画で離れて表記されている宮沢康紀。