法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』一度は行ってみたい!?不思議な街SP

 冒頭のミニ映像コーナーも大量の動物や奇抜な祝祭、洪水で街に流れてくるココナツを採取する住人など、さまざまな生活模様が楽しい。


「大人の儀式 パプアニューギニア編」は、世界各地で危険な成人の儀式に挑戦するティム・ヌーナンが、ひとりで素手でサメを捕獲する儀式にたちむかう。
 もちろん素手といってもカヌーで海に出て、糸で釣るわけだが、そうした道具からしてシャークピープルと現地住人の助けを借りながら手づくりしなければならない。2時間かけて樹木を斧で切り倒し、住人の助けを借りて舟形に削る。マストやバランスをとるための浮きも素朴な素材。
 サメを釣るためには、まず餌を釣らなければならない。蜘蛛の糸をあつめてよりあわせてルアーにして、凧を空に浮かべて浮きがわりにしてダツを釣る。蜘蛛の糸が丈夫なおかげでダツの鋭い歯をからめとりながら切れないところが面白かった。
 そのダツの頭でサメを釣るわけだが、水面を道具で叩いておびきよせ、リールも竿もなく糸を素手て直接たぐりよせる。炎天下を2時間かけてようやく食いつかせ、30分間も格闘してようやく水面まで釣り上げ、棒で叩いて気絶させたところをカヌーに引っぱりあげる。おそらく古典的な漁法文化の保存としても貴重な光景だった。


「スマイリング・ジョージア」は、日本において2015年にグルジアから呼称が変わった国の、2012年の大統領選から現在まで尾を引く問題を紹介。
 かつてバラ革命をなしとげたサーカシビリについてくわしくは説明せず、人々の悪い歯を無料で入れ歯にするという選挙キャンペーンの問題を焦点をあてる。
 入れ歯にして笑顔にするというキャンペーンだが、サーカシビリの統一国民運動は大敗。番組はウクライナへ亡命したサーカシビリは見せず、歯をぬかれて放置された村人たちを見せていく。
 その後、2020年になって統一地方選挙で村がふたたび注目され、無料で入れ歯をつくるというTV番組が取材に入ったが、事件から数年たった現地は新たな甘言への不信感が少なくなく、すでに入れ歯をつくってもらった村人もいて、結局は何もできずに退散した。
 くりかえしになるが、番組で紹介された範囲ではあくまで選挙キャンペーンにだけ焦点をあてていたが、ロシアやウクライナをめぐって微妙な立場にあるジョージアについて知っていると、なんとも複雑な感想をおぼえるドキュメンタリだった。


遊牧民の移動学校」は、イラン南西部のフーゼスターン州の山岳地帯で、遊牧中に学校へかよえない子供のため教師が遊牧に同行するというドキュメンタリ。
 約半年にわたる遊牧生活で、教師も生徒の父親に指示されて遊牧を助けたりしながら、身近で子供たちのありようを観察していく。昔ながらの遊牧は激流に羊が流されたり、近くの村人の土地に入ってしまったため敵視されたりして、遊牧民の父親はやはり家畜をトラックで運ぶべきか悩む。
 それでも父親は苦労もまた子供のためと考えて家をついでくれることを期待しているが、さまざまな家事に忙殺される母親は娘が都会に出て自由になることを望む。事実として子供の多くは家をつがず土地をはなれている。家父長制によって維持される田舎生活は、いろいろな意味で他人事と思えなかった。