夜の街で制服姿の少女と出会っていた冠城亘。そんなこととは関係なく、八年前に鑓鞍を襲撃した京匡平という男が出所し、再度の襲撃を計画しているらしい。京が書生として入っていた政治家の王隠堂が鑓鞍によって公認から外されて落選、さらに事故死してしまったことで恨みをいだいているらしいが……
前後編でおくる最終回SPで、今回もいつもの放送枠より約十分長い。脚本と監督は、それぞれ輿水泰弘と橋本一。
中盤までは政界と公安の意図がいりみだれ、それでいて各個の目的があまり明確でなく、どこに重心をおいて見ればいいのかがわからなかった。以前のシーズンから特命係と因縁をもって登場している鑓鞍や社美彌子と、今回で初登場した京*1をはじめとする八年前の因縁がいりくんでいるため、どれが新情報なのかいちいち思い出さなくてはならないのも理解をさまたげる。
ただ、特命係や一課のトリオがこれまでデュープロセスを軽視してきたことが京と王隠堂の反転攻勢に利用されるクライマックスは、たたみかけるように窮地においこまれていくテンポが良かったし、冠城が出会っていた少女の正体も意外かつ納得感あったのも良かった。なにげない会話にその少女の存在がひとこと言及されているので、今回だけを見た視聴者にもその伏線がしっかりとどいているはずなところが特に良い。
*1:これで「かなどめ」と読む苗字が珍しい。