法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』一文字変えて遊んじゃおう/未知とのそうぐう機

「一文字変えて遊んじゃおう」は、言葉の文字をひとつずつリズムにあわせて変えるゲームでのび太が負けつづける。ドラえもんのび太のため、頭文字を一文字ずつ変えるとその存在に変化する秘密道具を出すが……
内海照子脚本のアニメオリジナルストーリー。秘密道具に適度な制限があり、複雑すぎないことがまず良かった。のび太には難しいが幼稚園で大人気という説明も笑った。シールをはられても外見はほとんど変わらないので、機能だけ変わる異化効果が楽しい。
やがてリサイタルをおこなうジャイアンに障害をつくる展開になっていくが、ジャイアンは次々に突破してしまう。良好な作画で描写されたロケット打ち上げが、実際に劇中でとんでもないことが起きているという実感をつくったからこそ、帰還したジャイアンのすごさも実感できる。
あと、「めんこ」をのび太は何へ変化させたかは、「う」だけで暗示し。「○○んこ」という言葉自体、何でも「○○」に入るニュアンスがあるので、他にもっと不謹慎な事例が見つかるかも。いや、おそらく小学生でも知っているだろうが……


「未知とのそうぐう機」は、ドラえもんが秘密道具をいじらないよう厳しく主張して、のび太は逆にいじりたくなってしまう。いじるたびにUFOが登場するのでのび太は楽しんで何度も呼びはじめるが……
中期原作を2006年*1以来のアニメ化。演出の粟井重紀は、おそらく作品自体に初参加。
ほぼ原作に忠実で、細部に過剰な行動は増えつつ、基本的に絵を派手にする方向にのみアレンジしている。時代的な変化として、ハルカ星からハルバルが来た燃料費が2億円に値上がり。また、ウイスキーはUFOを飲酒運転することになってしまうとドラえもんが止めて、コーラに変える展開はなるほどと思った。
ただ、怒って照明を割る描写が追加されていて気づいたが、ハルバルって来た時点でガラス窓を割ってるんだよな……原作の時点の問題ではあるが。厳密に考証する方向に贈り物をアレンジするなら、石油由来のプラスチック製品などにするべきかもしれない。