法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『相棒 season16』第7話 倫敦からの客人

杉下がスコットランドヤードに出向していた時期の相棒、南井十がやってくる。ひとなつっこく他人との距離を縮めつつ、たくみなプロファイリング能力を持っている。
一方、遺体のそばにある池から、殺人の光景を撮影したスマートフォンが見つかった。さらにインターネットの奥底から新たな事件が浮かびあがる……


異常な犯人がメインキャラクターとの禍根を残す連続性は亀山相棒時代にもあり、懐かしさすら感じた。
本筋の事件も二転三転してテンポが良い。スマートフォンというひとつの小道具が、発見された経緯から、少し離れた場所にあった意味まで、謎解きのポイントとして物語の中心にありつづけるのもいい。陰惨な死体をビニール袋に入れることでボカさず見せる挑戦的な描写も好感をもった。
南井と杉下の何気ない会話が急転直下のオチにつながったのも、後味が悪くて良かった。このタイミングで杉下と対等な存在が現れたことから、最初に全体の構図は読めたのだが、ラストぎりぎりまで確定する描写がなかったので、物語の先行きが最後まで気になっていた。