女王のでかさは伝統芸。
成田良美脚本。各プリキュアの誇張されたネガとして、バッドエンドプリキュアの言動は良かった。「ハッピー」が内面の問題として扱われているという指摘は、過去シリーズに限らず、けっこう子供アニメ全般において真面目な問題ではある。
一方で反論については、仲間との絆という思想一つで押し切った感があった。説得や受容で応じた過去シリーズと比べると、完全否定しているところも気にかかる*1。しかし、今回は他にもさまざまな設定開示と新展開を描いていたから、さらなる葛藤を盛り込むと物語が破綻してしまっただろう。
テーマはさておいて、バッドエンドプリキュアを演じた声優は二次創作のようで楽しかったし、それぞれのプリキュアに合わせた場所で戦いをくりひろげたところも映像作品として良かった。
トリックメーカーとして生涯をまっとうしたジョーカーの顛末も意外性あり、決戦の前哨戦として必要充分な内容だったとは思う。
*1:過去シリーズでシリーズ構成を担当していたりした脚本家の仕事だけに、なおさら驚いた。もちろん、PDやSDや今作のシリーズ構成など、他のスタッフが今回の展開を主導した可能性も高いが。