あさのハジメの学園ライトノベルを2011年にTVアニメ化。スタッフは川口敬一郎監督と吉田玲子シリーズ構成。
ちょっとHなところもふくめて、良くも悪くも平々凡々な学園ラブコメ。
しかし『インフィニット・ストラトス』や『れでぃ×ばと』や『ハンドレッド』を思わせる、無理があるのにバレない男装で物語がはじまるところに無理がある。
トランスジェンダーでも異性装者でもなく、ただ家のしきたりにしたがって敬愛するお嬢様のために執事を演じきらなければならないという設定をするなら、同じ展開であっても周囲に女性と知られているか、もっと高身長で周囲にとけこみつつ女性人気があるキャラクターデザインにできなかったか。挿絵がつくことが前提とはいえ文字媒体であるライトノベルを映像化するなら、もう少し媒体の変化にあわせたアレンジが必要ではないだろうか。
とはいえ川口敬一郎監督らしいTVアニメとして安定したつくりで、映像ソフトで追加されたHな描写もふくめてライトで見やすい。意外なことに監督は小説のアニメ化はこれが初だったらしく、第6巻ブックレットの監督インタビューによると独白などはもっと減らして映像で表現してもいいと反省しているが、しかしライトノベルのTVアニメ化としては映像だけで楽しめる水準にたっしている。制作会社feel.の体制も良かったらしく、かなり余裕あるスケジュールで完成したという。
第10話の原画に佐藤元。第6巻ブックレットの監督インタビューによると、霊のデザインも担当したらしい。