スイーツ作り競争だが、特に恋愛関係がにおわされるわけでもチョコレートが強調されるわけでもなく、1日遅れのバレンタインデーネタかどうかは微妙な線。そういえば脚本の米村正二は平成仮面ライダーでもバカな料理勝負を手がけていたな。
グルメアニメとしては意外と真面目に作っていて、菓子作りで気をつけるべき分量描写を排していた以外は、奇妙なほど手順をていねいに描いていた。親切を装った敵の嘘で食材が台無しになり、別の食材で代替する流れも王道といっていい。敵首領が真心をこめた主人公側のケーキを評価するところも、食が全ての価値観に優先するグルメアニメとしては当然。食材が異常に巨大なため、デジモンの力を借りて調理していく光景がファンタジー作品ならではの面白味まで生んでいる。
映像は申し分なし。城外へ移動しながらのアクション演出は捨て回楽しめたし、竹田欣弘作画監督による濃くて美麗なキャラクター作画も堪能できた。
あまり本筋にかかわらない捨て回の割りには細部までよく動かしていたし、気軽に見ても何度も見返しても楽しめる。私自身の好みはさておき、今回のような内容こそゴールデンタイムに望まれている方向性ではないかと思う。
