騙されたと見せかけて、逆に敵を騙し返す主人公タイキの指導者描写は見事。仲間を信じようとする性格ならば、前回に仲間が述べた疑惑も検討するはずという流れで、キャラクター描写をぶれさせることなく陰謀を打ち破ってみせた。さほどキャラクターを成長させず、むしろ欠点と思われがちな性格を延長させることで事態を打開する展開は、米村正二脚本の特長だ。
ただ、作戦のディテールが甘いところも米村脚本らしくて、バリスタモンがハリボテを作ることができるなんて能力を唐突に出されても困る。たとえば前ふりしておいて大きな鏡を使うとか、それっぽくできなかったのか。
終盤に巨大化するスプラッシュモンとか、全体的に作画は良かっただけに、勝利する流れが雑だったことが残念。