法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

富野監督待て、ちょっと待て

先日来、なぜか下記の講演メモが『探偵オペラミルキィホームズ』を富野由悠季監督が批判した言説とされている。
だって父さん、ドダイだよ:富野監督の生ニュータイプ論

・小さな女の子向けに見える作品が明らかに子供の理解力をこえたテンポで進む。女の子に媚を売っているように見えて実は男の萌え層を狙っている。髪の毛がピンクでいいのか!

実際には髪の毛がピンクな少女向けアニメは数多あり、『プリキュア』シリーズでも複数例がある。そもそも少女向けアニメでピンク色の頭髪は珍しくない。ことさら深夜アニメの『探偵オペラミルキィホームズ』を指していると考える必要はない。
さて、個人的に引っかかったのは、批判されている作品が何かということではない。富野監督が他作品を批判する論理だ。正直にいって『ブレンパワード』以降の監督作品は、『∀ガンダム』を除いてどれも物語進行が速すぎるだろう。富野監督本人は速すぎるという批判に対して反発し続けた側ではないか。
少なくとも実作と見比べて考える限り……そもそも最近は高橋良輔監督と比べても作品制作から離れすぎてるが……理解力をこえたテンポどうこういえる資格は富野監督にないと思う。


もう1つ、気にかかった部分がある。

・長年言ってることですがアニメ以外のところから人材を持ってこなくちゃならない。例えば四年くらい自衛隊かゲイバーをやった人。一番理想なのは警察関係。

高橋タクロヲというアニメーターが自衛隊出身という情報がある。
高橋タクロヲ - 作画@wiki - アットウィキ
映画『空の境界』で作画監督をつとめたことへ言及したブログでも語られているので、公表された情報なのだろうが、はっきりした情報源がまだ見つからない。
あるアッタカサの日常 非常識破りの眼に乾杯!

専門学校に通うお金を稼ぐために自衛隊で働いたこともあるんですってよ。
「実は行きたい場所に行くための方法はいくらでもあって、大概は何とかなる」という高橋さんの言葉にはシビレました。
アニメっていうか、自分のやりたいことにかける真摯な態度が紙面からにじみ出てくるようで、胸がぐっと熱くなりましたヨ。