法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ニュルンベルク裁判』第3回 ナチ党副総統 ルドルフ・ヘス

イギリスのBBC制作ドキュメンタリードラマをNHKが購入して放送したもの。こういうドキュメンタリーはBBCの十八番。ドラマとして見やすく、かつ歴史の流れも見ているだけでわかる。


今回はナチス副総統ルドルフ・ヘス個人に絞って。精神の病におかされたヘスを何とか裁判にかけようとして、失敗した経緯を描く。
精神の病を持つ人間が国政で重要な位置についていた*1という点に感じるところもある。
しかし、連合国の威信をかけて裁判の場に引きずり出したくても、かなわなかった事実がより印象に残った。東京裁判でも、精神的に問題があると判断され、除外された大川周明という者がいる。


精神的に病んでいるふりをすれば裁判にかけられずにすむ現代の法制度は甘い……という意見をそこかしこで聞く。しかし現代の法制度は、相応の歴史を考え抜いて現在の形になっているのではないか。
まだまだ知識のない状況では語りにくい領域だが、とにかく色々と感じるドキュメンタリードラマだった。

*1:ちなみにナチスSSにはヴァイストホール(ヴィリグート)という精神病院入院歴がある男もいた。