インターネットによる情報の拡散、デモの拡大という視点を主に。軍事政権がインターネットを導入したものの規制に失敗し、若者達が国内外で情報をやりとりするようになっていった過程が興味深かった。
ただ、中露印が軍事政権と結びつこうとし、欧米が経済制裁する中、日本が支援によって民主化をうながしたという解説は少し白々しかった。経済制裁と人道支援が両立する状況は全くありえないとはいえないが。
自然発生に近いデモだったゆえ代表者が居らず、交渉の窓口を持てず失敗したという、最後の指摘に少し悩む。もともと、民主化の象徴といえるアウンサンスーチーの姿が写真に映ったことを契機に、デモが始まったという経緯がある。
代表や象徴が拘束されるのであれば、つまり最初からデモが成功しにくい国だ、ということになる。感情的には、今回の大規模デモも国際社会の目を向けさせる次善の策であったと思いたいのだが……