法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

国際法上合法だったらいいんじゃないっすか(適当)

韓国における「親日派」の財産が没収された政策は、さほど意外な話でもないと思うのだが - 法華狼の日記に対して、下記エントリのような主張がされた。
何が問題なのか - 独身貴族(笑)の雑記 − 30代リーマン*1

一年半前の記事であるが、韓国が反日に染まっている事をこの上なく証明するものであり、ネット右翼の格好の的であると言っても良い話題なのだが、これを擁護しようとされている気概は凄いと思う。

いきなり文脈をとらえそこなっている。私はArisan氏のエントリ*2を受けて話題を補足し発展させたのであって、気概がどうこうという話ではない。
「よく知っている人から、知人の韓国人のおばあさんが、この法律のために財産を没収されて悲しい目にあった、というようなことを聞かされ」たArisan氏は「ひどい話」という評価にいったん妥当性を認めつつ、その一方的な評価は正しいのかと考えた。
Arisan氏のエントリにあるように、「制裁」だけでなく「再分配」という効果にも目を向けるべきではないか、という話題だ。だから私も日本現代史で重なる政策として、GHQ財閥解体を例示した。「制裁」としての妥当性だけを主張しても、あまり私への批判としては意味がないのだ。

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補足すると、親日派は太平洋戦争の終戦を境にして力を失ったわけではなく、韓国における長い軍事独裁政権時代にも統治者に近しい立場にあり、富の不平等な蓄積を続けていた。

親日派問題が植民地時代に端を発することは事実だが、半世紀以上前に終わった問題というわけではない。その意味でも、親日派財産没収は韓国民主化運動の一部として明確に位置づけることができる。

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注記で「民主化運動の一部だから絶対に間違いではない、という話ではない。念のため。」と書いているのに、引用時に注記番号を断りなく削られるのは困るな。

まず「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」は、「日本統治時代に「反民族行為者」の財産の取得が違法」であるという前提の上で成立している。そこには、日本の植民地支配そのものに関する法的解釈が介在しなければならない。要するに、韓国は日韓併合が違法である事を客観的に証明する必要があるのである(日韓併合が合法なら、当時韓国という国は存在しておらず、そこで暮らす人々も法的に当時は日本人である。「反民族行為」等と断罪出来る根拠自体が無くなるのだ)。そして韓国にとっては不本意な事だろうが、日韓併合は当時の国際法上合法である。この前提がある以上、事後法だから駄目とか以前に、極端な話日本統治されていた当時であっても「親日派」を処罰する法的根拠が無かったのだ。

別に「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」も「国際法」には反していないだろう。
また、法的に同じ国籍であることと、民族が同じであることも違う。日韓併合が合法であるか否かを考える以前に、まずsyachiku1氏は単一民族幻想から脱却することが先決だろう。