SDGsをテーマにした日本テレビの番組横断企画「Good For the Planetウィーク」で、スタジオトークも比較的にあわせた内容。
中東において観光でさかえるバーレーン王国で、珊瑚礁が死滅して魚が海から消えた。そこで人工岩礁として、よくある船のかわりにジャンボジェットを沈める計画がもちあがる。
アラブ首長国から約一千万円で購入した中古のジャンボジェットを、翼をはずしてトラクターへ乗せ、せまい町中をとおりぬける。そして不要な部品をとりはずして金属製の骨格と皮だけになった状態で、翼をとりはずした状態で船に乗せてゆっくり運ぶ。
目的地の港からひきあげようとしたところ、トラクターが砂地のような坂でタイヤが沈んで動かなくなったが、ショベルカーで無理やり牽引。翼をとりつけなおし、さらにオイルなどを念入りに清掃し、目的地まで浮かべるためのフロートを設置。
海中までつづくレールを押し出すための油圧シリンダー装置が故障したりもしたが、なんとか見事に浮かべることに成功し、目的の場所で沈下。半年後に潜水してたしかめると、フジツボのびっしり生えた機体に、無数の魚が出入りしていた……
こうした人工物を沈めることが本当に自然を守ることなのか、という視点もナレーションで言及。スタジオではアート作品としてデザインされたメキシコの人工岩礁なども紹介された。
中東のパレスチナ自治区で、閉園して放置されたハンユニス動物園から、動物保護団体フォー・ポーズが救出劇をおこなうドキュメンタリーも紹介。
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死体も放置したままのような動物園で、オーナーはほとんど顔を出さずに金儲けにしか興味がないらしく、大金をかけて地下を密輸した動物を手ばなすことを嫌がったりする。
しかし住民が人権を侵害され危険にさらされている状態で、人間の犠牲とはいえ動物が優先して救助される運動に、いささかグロテスクさを感じざるをえない。
ドキュメンタリで紹介される戦災がイスラエルからの爆撃ばかりなのに*1、パレスチナとイスラエルが同等に攻撃しあっているかのようなナレーションにも首をかしげる。
飼育員が動物を盗んで売りはらった可能性を疑うが、そうしなければ生活できない社会という観点は、少なくとも番組でダイジェストされた範囲では見られなかった。