法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』超大作特撮映画「宇宙大魔神」/のび太の結婚前夜

「大みそかだよ!ドラえもん1時間スペシャル」として、2020年最後の放送。コタツに入ったドラえもんがネズミ年の終わりをことほぐ。かわいい。


「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」は、突如としてのび太たちの街が謎の敵に襲われた……かと思えば、のん気にドラえもんが部屋でどら焼きを撮影している……
映像の合成を簡単におこなえる秘密道具で映画を自主制作するエピソード。シネマスコープサイズで説明もなくディザスターからはじまり、サブタイトル画面をはさんで発端から語りなおす構成アレンジが映画的。
原作は1979年が初出だが、現代ではスマートフォンのアプリで秘密道具だけなら技術的に実現できるだろう。もちろん技術的に可能になれば魅力が消えるエピソードというわけではない。
たまたま2020年4月に原作を紹介するエントリをあげたように、シナリオやデザインやミニチュアを手作りする楽しさから、さまざまなトラブルやハラスメントの対処まで、映画制作のドラマとして充実している。
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今回のアニメ化では、上記エントリで紹介した撮影現場のセクシャルハラスメントは削除。かわりに原作では出木杉に出番がとられたスネ夫の活躍を増やして、美術監督として知恵をめぐらせる。映画『宇宙小戦争』のリメイクをひかえたアレンジでもあるだろうが、楽しく見終えることができた。
全体をとおして作画も悪くなく、難しい情景を映像でささえていた。特にアバンタイトルでもつかわれた住宅地が火の海になるシーンなどが目をひく。コンテ演出は山岡実。
ちなみに番組に表示されたサブタイトルは原作どおりカギカッコで宇宙大魔神をとじているが、アニメ公式サイトではカギカッコでサブタイトルそのものをとじているため二重カギカッコで『宇宙大魔神』と閉じている。
www.tv-asahi.co.jp


のび太結婚前夜」は、2011年3月に放映された回の再放送。東日本大震災後に初めて放映されたエピソードが前向きで良好な家族のドラマだったことは偶然だろうが、今思うと意義深い。
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