残念な女性向け商品が作られてしまう「ダサピンク現象」について - yuhka-unoの日記
ここでは、「女性向け」ということでデザイナー職の女性たちが考えたデザインを、上層部のおっさんが「女性ならピンクだろ」と言ってダサいデザインに差し替えてしまうことや、実際に街を歩いている女性の服装のうち、ピンクの割合はどれくらいだと思ってるんだとか、一口にピンクと言っても色々なピンクがあり、おっさんが思う女性向けピンクと、実際に女性から好まれるピンクは違うとか、そういう話が展開されている。
もちろん考えぬいた上でピンクを利用することは否定されていない。
個人的には「とりあえずピンク」という言葉に置きかえればわかりやすいと思っているが、発端がツイッターなので文字数が多くても困るのだろう。
それとは全く別個の流れで、今敏監督の文章を読んでいてそのままの記述があったので、紹介しておく。1998年に公開されたアニメ映画『パーフェクトブルー』の制作記だ。
その19●ビージー・ア・ゴーゴー - KON'S TONE
一番大事な背景はこの「未麻の部屋」である。よって最初にボードに取りかかってもらったのもここである。が、これは難航を極めた。まず、単純な意味での色が決まらない。
最初にこちらでは特に注文を出さず、私が描いた部屋の設定を元に池氏が思う通りに描いてもらったのだが、これが何というか誰もが考えるというか無難すぎるというか、「いかにも」なものが第一弾として上がってきた。
「女の子の部屋=ピンク」。確かにそれは分かりやすいかもしれないが、そういうのはどうにも「オッサンが考える若い娘」のイメージであろう。私とて立派なオッサンではあるが、一応「未麻になったつもり」で描かねば「らしいもの」は出てこない。エヘへ。
アイドルグループの一員から女優へ脱皮しようとする主人公。そこから悪夢的なサイコサスペンスが展開される。その主人公の部屋だけに、かなりの難産だったらしい。
この後、監督は美術監督とうちあわせを重ね、「白熱灯の黄色」を基調にして完成させていったという。
度重なるリテークは描き手からも絵からも元気を奪う。さながら迷路に迷い込んだように美監からはピントのずれたものが上がってくる。リテークを重ねる事に 違う方に行ってしまうのだ。
この記述からは、検討さえ重ねれば良いものができるとは限らないと読めるが、それはそれとして検討しただけのリアリティを描けていた、と作品を見た者としては感じたのだった。