法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ラストエグザイル-銀翼のファム-』#02 Fool's mate

味方側が全体としての敗北を自覚しつつ、未来へ託すための策を講じていて、それが主人公の物語における存在意義となっている。それでいて残酷な現実を拒否することで、主人公が主人公たる格を得る。
シンプルなプロットが力強い。


映像では、幼い少女の泣き顔でほうれい線の影を作画していたことに驚いた。こういうキャラ萌え振り落としなところが、良くも悪くもGONZOっぽくて個人的には大好き。
空中戦艦を描くために3DCGを用いていることを、演出として利用しきった映像も素晴らしい。立体的な戦闘を縦横無尽に動き回るカメラで切り取るまでは普通だが、小型艇で内部へ潜入する描写を長回しで見せるとは*1。建物内への潜入を3DCGで描くまでは先例が多々あるが*2、3DCGでしか描けない巨大構造体という制作上の制約を逆に利用したことには、かなり意外性があった。しかも、敵側のキャラクターが先に戦艦内へ潜入しているため、主人公にとって都合のいい安易な展開という印象もない。

*1:前作の『LAST EXILE』でも、巨大戦艦の隙間へ入って爆撃する描写はあったが、内部へ入ることではなく接近したことが描写の要点だった。

*2:The Soul Taker 〜魂狩〜』等。