法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ジャンパー』

TVで視聴。カットされていた日本での出来事を入れた特別編集版だが、それにとどまらずCM明けごとに登場人物がナレーションで解説する親切すぎる仕様に困惑した。主要登場人物ごとに出てくるテロップが名前だけならまだしも、作中の位置づけみたいな説明まで出てきて、視聴者を馬鹿にしているのか、途中から見ても話についていけるためなのか……思い入れがある作品でやられると激怒するレベル。


映画の前半までは『ドラえもん』でもよくある超常能力を手にして自分勝手に生きていたらしっぺ返しが来た、というありきたりなもの。しかしパラディンというジャンパー能力者を追う集団はしっぺ返しどころか、主人公よりえげつない行動を見せて、相対的に主人公側をまともに見せるという展開にいたる。つまり主人公の内面はそんなに変化していない。
ヒロインを助けて成長を描いたように見せているが、どう考えても主人公と周辺の設定を提示しただけで物語が続いていくだけだろ、と思ったら本当に戦いが続くオチ。パラディンの使っている機材にカタカナが使われていた理由も不明なまま。しかし調べてみたら三部作予定という話をインターネットで見つけて良くも悪くも納得した。


良かった探しをしておくと、小刻みに瞬間移動する格闘戦描写や、パラディンの攻撃で思い通りに瞬間移動できない場面のサスペンス性は悪くなかった。
あと、ネオンサインの輝く夜景にピントを合わせず撮影した日本描写は良かった。歓楽街ではなく高層ビルが林立する場所でもないのにカラフルにきらめく街並みは、けっこう日本独特の光景だったのかもしれない。