法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』参上!ムシムシヒーロー!!/いっすんぼうし

アニメオリジナルの前半と、原作通りの後半と。


Aパートは善総一郎コンテ。動画工房回で、けっこう動きもいい。
虫の能力を取り込んで、変身ヒーローになれるベルトが登場。蜘蛛の巣の作り方がリアルだったり、アリの力強さ*1がどんでん返し風にあつかわれたり。理科的な面白さを描いているところは原作短編「無敵コンチュー丹」にも通じるが、今回の展開は全く異なる。
ヒーローの独善性を風刺したり、思い込みで行動して失敗をくりかえす主題は、けっこう原作でも多い。それでいて変身しての活躍がけっこう多彩で、新鮮さがあった。最終的に本当のヒーローになれた結末はぬるいといえばぬるいが、善意から出発して失敗続きの果てに少しは救いがあってもいいだろう。


Bパートは八鍬新之介コンテ演出で、原画に林静香も参加。地面をはうようなカメラアングル、しずちゃんの足に乗って移動する視点を3DCGで表現、背景動画の多用など、小さくなった主人公から見た風景の広大さが、よく表現されていた。
物語は原作通りで安定した内容。スネ夫に釣り餌として使われるという描写を足している。釣り糸の先でふりまわされる主人公のダイナミックな映像や、透明感ある水中表現など、これも映像として良かった。
しかし、しずちゃんの真下に来たのび太は、絶対に見えているよな……原作より近づく描写に尺を使っているから、どうしても気になった。いや、視聴者視点で見えないことはかまわないのだが、登場人物の反応というリアリティの問題としてね。

*1:サイズが極小だから体重に比して力強いだけで、もちろん人間大になれば不可能なことだが。