法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『獣の奏者エリン』第42話 セィミヤの涙

久しぶりの吉田玲子脚本。身分と立場にしばられた男女が、互いに思いながらすれ違うという、それ自体は典型的な話。
しかし、制作者が意識的に感情移入させてないエリンよりも、粗かったり幼かったりする男女の物語が見やすかったことも確か。エリンが主役となるより、周囲のキャラクターが実質的な主人公となる話の方が、やはりこのアニメでは面白い。
男女のすれ違いは行政と軍事の行き違いを示し、主人公をとりまく環境の危機を暗喩する。そして結末ではシリーズ全体の大きな決着の場を暗示する。シリーズ構成上で求められているだろう面も、過不足なくこなしていた。