〜しかし予告ほどアレルヤの印象が残らない回でもあった〜
アレルヤが二重人格*1でニュータイプ能力*2を持っていることが判明。しかし種明かしの後では気づかなかったのが不思議なくらい、ベタな伏線が引いてあったので、楽しんで見ることができた。ガンダムの世界観なら存在してもおかしくないだろう、と思える程度には作中のリアリティにそっている。
ソーマとアレルヤという特異な性格のキャラクターが事件を引き起こし、セルゲイとロックオンという比較的普通人に近いキャラクターが問題を収拾するという展開も、初めて人間同士のドラマとして楽しめた。
ソーマとセルゲイ、アレルヤとロックオンという組織関係に、ソーマとアレルヤという対立関係、セルゲイとアレルヤという因縁が重なり、今後の関係性の変化に興味がわいてくる。これまで主人公機ガンダムエクシアを追うグラハムはいたが、基本的に一方通行の単純な関係なので、ドラマとして楽しめるほどではなかった。
組織の立場を越えた人命救助という展開も感情移入がしやすかった。救助対象にサブレギュラーキャラもふくまれているため、よりドラマにのめりこみやすい。
もともと「ミッション」のためガンダムキュリオスが宇宙に向かっていたとを記憶していれば、残りのガンダム2機が地上に待機していた展開にも御都合主義感がない。冒頭にて主人公が報道を東京で聞いた後、終盤まで全く顔を見せないことが、良い引っかけにすらなっている。
情報を漏らしたくないためガンダムの機能をできるだけ隠すという設定が、必殺技を出し惜しみするというロボットアニメのお約束に理由をつけていることにも感心した。
映像的にも『プラネテス』で一挙に質の上がった宇宙描写を受け、メカ作画も緻密。じっくりと前半で低軌道環境の説明をし、宇宙服デザイン等も先に見せておくていねいさは好感が持てる。