〜またも三人シナリオ〜
終盤に向かう結果、盗撮技能で笑いも解説も捜査も担当できるアキラが物語の前面に。一方、ダイチは本筋から振り落とされつつある。
4年前の事件を、猫目とタマコは一貫して指示代名詞で言及。並行するフミエ達の研究で事件内容が判明する構成に感心した。
事件の実態を視聴者に教えつつ物語が進行するのでストレスがたまらない。何より、ずっと指示代名詞で語っておきながら急に解説を始めるような不自然さが、登場人物にない*1。
今回明かされた情報は全体的に予想範囲内だったが、病院内で電脳メガネが使用できる設定が物語の根幹に関わっているかもしれない点など、思っていた以上にSF寄りの展開を予期させる描写が多い。主人公2人、ヤサコとイサコの関係切断以上に、新設定が面白い。
さて今回を見ると、ヤサコが見てきた4423の夢は、過去の記憶が蘇っているのではなく、病室のイサコ兄が「イマーゴ」で外部と接触したためではないだろうか、などと思いついた。
幼児化している理由はともかく、全てが黄昏た風景での出来事なのだから、現実世界での接触という保障はない。ゆえに4423との記憶は、メガネをかけている時にだけ見る夢なのかもしれないという考え*2。これならば病室番号が「4423」ということの説明がつく*3。イサコ兄は誰かと会話したくて、自分の居場所を伝えようとして、たまたまイマーゴで繋がったヤサコに4423という数字を伝えたのではないだろうか。
さらに妄想を進めると、電脳メガネを利用した医療システムとは、意識を失った人達*4とイマーゴでコミュニケーションを取ることではないだろうか、と思えてくる。つまり4年前の事件は逆なのだ、電脳メガネをかけたから子供が失神したのではなく、子供が失神したから電脳メガネをかけさせたのだ*5。
もちろん上記の考えは妄想にすぎないが、設定の開示時期が巧いので、かなり考証が楽しめるのは作品として一つの価値。アニメオリジナル作品かつ全国同時放映ゆえ、ネタバレで興をそがれることがない。