法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』

金曜ロードショーでの放映を視聴。本来の尺は105分くらいで、エンドクレジットが省略されていることを考えれば、ほとんどノーカットだろう。
金曜ロードシネマクラブ|日本テレビ
映画『猿の惑星』シリーズの前日譚を描くという。しかし適度に独立性が高く、人間社会の構図を人間と類人猿*1の関係へ置きかえた風刺SFとして、シリーズ旧作を無視しても楽しめるものだった。
簡単に物語をまとめれば、『アルジャーノンに花束を』のような人間の父子から、徐々に類人猿の監獄物へと重心を移していったといったところか。案外と全体にそつがなく、主人公の移行もスムーズだった。
ただ『猿の惑星』につながる趣向のためか、途中で人間語を話しはじめたのは無茶だった。話せる者は遺伝的に他と違うから声帯の形も人間に近いのかもしれないが、ならばその設定にも何らかの説明が必要だろう。せっかく手話を使う設定があるのだから、声による人間との会話は続編で獲得させれば良かったのでは。


VFXとしては、毛並みのある動物を大量にリアルに画面内に同居させる技術が完成されたことが、まず印象的だった。しかし3D上映を意図したのか、やたらカメラが寄ったり遠ざかったりする動きが多くて、逆に箱庭っぽく感じたところも。どれだけ画質が向上しても、テレビ視聴の限界か。

*1:「猿じゃなく類人猿」だと注意する台詞もあった。