法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

デスゲームとバトルロイヤル

まさか、この話題で小説『バトル・ロワイアル』の存在が言及されていないなんて*1
アニメや漫画のバトルロイヤルを考える - たまには卑怯な主人公がいてもいいじゃない! - ご機嫌よう。さようなら。
その小説でも言及されているプロレスの「バトルロイヤル」に言及しているところは、さすがアニメやマンガをプロレスに翻訳するtunderealrovski氏らしいと思うのだが……
角川ホラー大賞で最終的に落選した選評が注目されて出版され、東映で映画化された時には少年の暴力という描写が政治をまきこんで話題となった作品だが、もう言及されない過去になってしまったのだろうか。東映で映画化されたこともあり、『仮面ライダー龍騎』への影響は大きかったと思う。、


そして『バトル・ロワイアル』で描かれたような命がけのゲームを強いられるジャンルは、スティーブン・キング『死のロングウォーク』を嚆矢として「デスゲーム」と呼ばれる。
必ずしもバトルロイヤルのように互いに戦うわけではないが、その数多い作品群においては「時間差バトルロイヤルのゲーム性や戦略性を全面に出した作品や、卑怯な手を使ってでも生き残ろうとする策略家の主人公」は複数あるといっていい。『バトル・ロワイアル』もそうだった。
そもそも誰もがゲームの駒であり、いつ死ぬのかわからない緊張感もデスゲームの醍醐味といえる。倫理観の高いヒーローが主人公であっても、自然と群像劇の色彩をおびていく。むしろキャラクター個々が持つ多彩な能力のぶつかりあいを楽しむ『仮面ライダー龍騎』等が例外であって、ゲーム性や戦略性が描かれる作品が多いのではないか。


文句ばかりでは何なので、最近の具体例として『GOSICK -ゴシック-』『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』『ダズハント』を紹介しておく。致命的でないと思うが、いくつかのネタを明かしているので注意。
まずTVアニメ化されたばかりの『GOSICK -ゴシック-』*2が、ちょうど船上のデスゲームを描いていた。大時代な設定をいかし、古典的なミステリのトリックが作戦として用いられている。TVアニメでは尺の関係もあって、デスゲーム描写そのものは濃くないが。
他にTVアニメ化された小説としては山田風太郎甲賀忍法帖』という忍術合戦作品がある。正確には『バジリスク 〜甲賀忍法帖〜』というマンガへ翻案されたものを、忠実に映像化したものだ。開始直後からデスゲームとして異例といえる状況が発生し、それが収束したかと思えば参加者の行動によってゲームの方向性自体が変わるという、古典にしてデスゲームのジャンルそのものをメタに扱ったかのような面白い構成が楽しめる。
そしてインターネット上では、WEBマンガ『ダズハント』という佳作がある。
DUDS_HUNT
見ての通り、単純に巧いだけでなく仕上げもていねいで、後に商業単行本化された。この主人公像は、かなりtunderealrovski氏が希望した内容に近いのではないかと思う。

*1:現時点では、はてなブックマークでも言及されていない。http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/tunderealrovski/20110202/p1

*2:感想エントリの注記でもデスゲームについて簡単に説明している。http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20101013/1286980984