裏山で小鳥がピーチクパーチクそうぞうしい。
見ると、葉っぱがひとつも残っていない枝に、真っ赤な渋柿が鈴なりになっていた。
ダンボール箱いっぱいにとってきた。
大きさが感覚でわかるようにDVDソフトを入れた。
……わかるか?
しかし私は酒を飲まないので、渋抜きするための濃いアルコールが手元にない。
皮をむいて干し柿にするのは面倒だ。しかも以前に小鳥が庭先によってきて困った。
∧_∧ (,,゚Д゚) ζζ 薄く切って焼く方法を試してみたけれど…… / o―r===、 しーJ | ̄ ̄ ̄|
……水分がとんで甘味が濃くなったが、渋味そのものは抜けてない感じがする。
柔らかくなっている赤黒の柿をそのまま食べたほうが、まだ美味しいくらい。
渋味とは何かと考えると、タンニンという成分が問題だ。
それもタンニンそのものの味ではないらしい。
タンニンがタンパク質を固めるため、口の中がカサカサになることが、いわゆる渋味だという。
そこで手元にあったタンパク質の多い食品。それも柿の味と衝突しそうにないものというと……
iニニニi / ./ヽ_ /|農||/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ iニニニi / ./ヽ |農||_ /|協||/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ iニニニi / ./ヽ |農|| |協|| /|牛||/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ iニニニi / ./ヽ |農|| |協|| |牛||_ /|乳||/
ためしに柔らかい柿の果肉だけをこそいで、牛乳と混ぜて耐熱容器に入れる。
それを電子レンジで温めてみた。だいたい70度くらい。
(⌒⌒⌒⌒⌒ヽ (_Ui〜ヽ_ノ || U。 ハ|ハ ||゚o。 ゚ (Д|゚,,) うおおおおお! |i 。 o゚⊂ ゚とノ 水分と分離して白い粒が沈殿していく! ||。 ゚o゚ |。| | || ゜。 。゚ し|J |_二二二二_|
古くなったヨーグルトに柿ジャムを入れた、みたいな姿になった。
香りは悪くないし、これは面白いレシピができたかもしれないと味見……
∧_∧ ( ゚ Д゚) まあ見た目は良くも悪くもないかな…… ( つ旦O と_)_) ∧_∧ ( ゚ ◎゚) ズ…… ( ゙ノ ヾ と_)_) 〃⌒ ヽフ / / rノ うおぇっぷ ΟクΟ_)***
……うっすらと甘いだけなのに死ぬほど不味いという、信じられないシロモノができあがった。
甘味は水分で薄まり、わずかに抜けた渋味が断続的に襲いかかり、凝固した牛乳が食感を悪くする。
涙目で飲みほしたので、写真をとるのを忘れていた。
さすがに写真のためだけに作るのは、食べ物への冒涜だ。
そう思うような味だった。
考えてみると、こんな簡単な方法で美味しくできるなら、誰かがレシピを公開していそうなもの。
素直に干し柿にするか、何らかの方法を考えることにする。
ただ、温めている時の見た目が少し面白かったのが救いかな。
小学校あたりで、タンニンの凝固能力を調べる理科の実験には使えるかもしれない。