法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『戦場のヴァルキュリア』雑多な感想

物語も映像も、全体的に今ひとつだった。


新兵器が戦場へ投入される架空世界の現代戦から、徐々に古代の超常兵器の決戦へ移行していくわけだが、3DCG多用の戦車戦という特色がスポイルされる結果となった。特に物語の前半を引っぱった主人公側だけが保持する強力な戦車が、終盤で完全に忘れ去られているのが痛い。
ヴァルキュリア能力にからんで、終盤に出てきたビックリメカは絵としてハッタリがきいていたが、これも敵味方の戦車を雑魚扱いしていっただけ。
機動戦士ガンダム』における「ニュータイプ」のように、超常的な設定を導入するにしても、作品の魅力と結びついたものであるべきだった。ヴァルキュリアの能力が現代戦車の力を引き出すものにするか*1、逆に主人公側は義勇兵なのだから最初から戦車など持たずヴァルキュリア能力の発動で爽快感をえる展開にするか。


作画も安定しているが、良いとはいいがたい。梅津泰臣コンテ演出作画監督による後期OPは見所だったが、絵柄が本編と全く違うのみならず、迷いなく戦っている主人公の性格にも違和感があり、OPとしては詐欺。

*1:航空兵力がほとんど存在しない世界だから、飛行能力をもって航空支援を行うとか。