法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム00』MISSION-10 ガンダム鹵獲作戦

〜しかし主人公の影が最も薄いって〜
全編が戦闘であるものの、敵兵器の鹵獲や情報収集が目的なため物語の温度は低い。設定的に隠し玉だったガンダムヴァーチェの内部も中盤で判明し、さほど力点は置かれていない。
秘匿情報や人員、精神といったものを互いに消耗していくだけの冷たい内容。人革連側は得がたい情報を多数集め、作戦目的からすれば成功なのだろうが、今回それを誇ったり喜んだりしないのは悪くなかった。
そうして自己の信念を強く主張することが少ない人物が多い中、ハレルヤとミン副官が会話した終盤も、良くも悪くもガンダムシリーズらしい熱さがあった。黒田洋介脚本らしさも感じた。
ただ、ガンダムキュリオスの捕獲が偶然による要素が大きかったり、部下の自己犠牲を称えたりするセルゲイ中佐は好みではない。好きな人がいるのもわかるのだが。


着物の柄を作画に合わせて動かしたり、時間一杯にメカを手書きで動かしていたりと、映像的には地味に手間をかけているものの、あまり効果的でなくてもったいない。
それでも前半の発砲エフェクト作画や、ガンダムキュリオスが拘束から脱する一連の演出は、相応に見ごたえがあった。