有名作品ということで『機動戦士Zガンダム』のメインキャラクターが印象深いが、代表作としては『大草原の小さな天使 ブッシュベイビー』の主人公だろうか*1。
『Zガンダム』エマ役・岡本麻弥、インボイス制度の中止へ涙の訴え 自身も「廃業も視野に入っています」 | ORICON NEWS
『ガンダム』シリーズなどのアニメプロデューサーの植田益朗氏、『機動戦士Zガンダム』エマ・シーン役で知られる声優の岡本麻弥氏、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』キャラクターデザインや『呪術廻戦』総作画監督を務めたアニメーターの西位輝実氏が22日、日本外国特派員協会で、クールジャパンを壊すとしてインボイス制度の中止を求める記者会見を開いた。
この記者会見への反応で、制度反対より賃上げを主張すべきという批判も散見されるが*2、インボイス制度は会計の煩雑化という問題も大きい。そもそも基本的に利益に対してかかるはずの税金を先に増やして、利益を増やしてもらうよう要求すべきなどと主張することは倒錯にもほどがある。
ちなみに低賃金で知られていたアニメーターも、近年は西位輝実氏のようなキャラクターデザインや作画監督はもちろん、各カットを担当する原画でも会社に「拘束」されるくらいになると、それなり以上の収入が期待できるようになっているという。アニメ以外でもドラマの吹替などで活躍している岡本氏と同じく、西位氏も比較的に収入がある立場から業界全体のため発信しているわけだ。
原画になった後は「単価→半拘束→完全拘束」の順に賃金が上がっていく。半拘束になれば月額20万円位の収入が確保出来る様になり、完全拘束だと同年代のサラリーマンの平均年収よりも高い収入を得る事も出来る様になる。
— おたろう (@otarou01) 2022年1月18日
原画になった後は「単価→半拘束→完全拘束」の順に賃金が上がっていく。半拘束になれば月額20万円位の収入が確保出来る様になり、完全拘束だと同年代のサラリーマンの平均年収よりも高い収入を得る事も出来る様になる。
念のため、まだ線の整理や途中の絵を足す末端職種の動画は薄給のままだし、逆に技術のおとるアニメーターが業界に残りつづけて修正する職種に負担がかかる問題などもあるそうだが、それらもふくめて改善の動きがつづいている。そうした改善へのインセンティブをつくる税制の導入であれば理解できるが、インボイス制度の推進理由には低収入の事業者を減らせるというものもあり、むしろ時代を逆行させかねない。
*2:YAHOO!配信の同じ記事に賛否もふくめて反応があつまっている。 b.hatena.ne.jp