BS-TBSの報道番組『報道1930』で伊吹文明氏が下記のような算術を披露していたと話題になっていた。
報道1930で伊吹文明がおかしなこと言ったぞ。「共産主義の国では、共産党が1+1=2と言い自民党が1+1=3と言っても共産党が正しいことになる」…いや共産党が正しいでしょ😂共産党も共産主義も無関係の消費税下げるか否かって話題でわざわざ共産党disろうとして下手こいてんのみっともない。
— jaji (@jijajoc) 2020年8月4日
別人の実況と比べても、よくわからない足し算の比喩をつかったことは事実らしい。
中国が1足す1は2
— hm1179no7 (@hm1179no7) 2020年8月4日
と言って
日本が1足す1は3
と言ったら
中国が正しい?
伊吹文明の
文明論がわからんの(^_^;)#報道1930 https://t.co/QLwMvoyV9N
バカバカしい足し算と思って最初に連想したのは、東條英機の算術だった。
東条英機の算術を超えた「下地ミキオの足し算」 pic.twitter.com/zq6oTjb3S9
— 早川タダノリ (@hayakawa2600) 2019年2月25日
しかし間違っている足し算を正しいと認めさせる恐ろしさは、ジョージ・オーウェル『1984』の二重思考そのものだ。
ジョージ・オーウェル『一九八四年[新訳版]』 絶望が誘う「二重思考」の社会|好書好日
支配に不都合な存在や事実はあらゆる記録から抹消され書き換えられて「なかったこと」になるからだ。そんな社会では、矛盾する二つの事柄を同時に信じるための「二重思考(ダブルシンク)」が強いられる。2+2は4だが、党が5だと言えばそう思える——そんな荒唐無稽な状況を主人公は生きている。
さらに古典へ目をむければ、史記を引いた中国の故事成語「鹿を指して馬となす」というものもある。
鹿を指して馬となす(シカヲサシテウマトナス)とは - コトバンク
〔秦の趙高が鹿を二世皇帝に献じて馬であると披露すると、群臣は趙高の権勢をはばかって反対を唱えなかったという「史記秦始皇本紀」の故事から〕
自分の権勢をよいことに、矛盾したことを押し通す。また、人を愚弄する。白を黒という。