法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ゴジラ×メカゴジラ』

 豪雨の山間部にゴジラ撃退のため出撃した特生自衛隊。しかし家城茜は車両を激突する事故を起こし、別の車両を崖下に転落させてしまう。その落ちた車両をゴジラがふみつぶす。
 数年後、現場に復帰した家城茜は、総理肝いりの対ゴジラ兵器を担当するチームに抜擢される。それは半世紀前に倒したゴジラの骨をつかった機械のゴジラだった……


 2002年に公開された日本映画。『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』*1につづく手塚昌明監督2作目で、後に『ULTRAMAN』の特技監督をつとめる菊地雄一の初特技監督作品。

 記憶では2014年くらいに初視聴したが、今回ひさびさに視聴。細かい水飛沫や超技術による氷結で3DCGを活用しているが、水中からゴジラがあらわれる場面などはキグルミの表面を水が流れてサイズがバレてしまっている。時代を考慮してもかなり厳しい。しかしオーディオコメンタリーによると、ゴジラが背中だけ出して海上を進む場面は、背中を流れる白波を3DCGで描画しているという。ここはかなり自然で感心した。
 特撮全般の絵作りは悪い意味でアニメっぽい。満月を背に降下する場面は合成とバレバレ。背後から映したカットは良いが。ゴジラメカゴジラが対峙する時のカメラ位置が高めで巨大感が少なく、横から工夫なく映しているカットばかりで単調。ランドマーク的な建造物がほとんど存在しないので、かけた手間ほどの面白味が映像にない。少数ある俯瞰カットは広大なミニチュアセットが見られて、さすがゴジラ映画という感じではあるが。
 ミニチュアは三池美術らしい精度の高い建造物は楽しめるが、映し方が良くない。冒頭のゆれる電線や水中のゴジラの骨、破壊されるシーランドなど、一場面だけ飾りこんだミニチュアの見せ場は散りばめられているが、それ以外の移動は漫然と映したり合成にたよったり、予算不足があからさま。あらすじで書いたゴジラが序盤に踏みつぶす特殊車両もカメラワークが良くないこともあって模型まるだし。
 ちなみにBlu-ray特典映像で収録された、デザインワークスも手がけた西川の絵コンテと本編を見くらべると、レイアウトはコンテのほうが素晴らしいところが多い。映像化するスタッフが再現できなかったところに問題がありそうだ。先述した背後から映したカットはかなりコンテと印象が似通っており、だからこそ良かったのかと思ったものだ。


 物語については、釈由美子演じる主人公の台詞が女性の役割語ばかりで、これも悪い意味でアニメっぽい。比べると、アニメ畑からのスタッフが実写に挑戦した金子ガメラ三部作*2のほうがずっと実写作品らしく構成できていた。
 自衛隊フェチズムに満ちた映画という印象は再視聴でも変わらなかったが*3、ひさしぶりに見ると記憶より子供向け映画感も強い。シングルファーザーの父娘がもう一方のドラマを背負い、その娘がメカゴジラというワードも生みだす。しかし釈由美子に父親がいいよる場面は、公開から20年以上たった現在では、ちょっと無理を感じた。

*1:『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』 - 法華狼の日記

*2:水野久美吹越満など、共通する出演者も多い。

*3:『シン・ゴジラ』 - 法華狼の日記 での要約は不正確で、内閣はメカゴジラ投入直前に円満交代していた。