法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』アウト!?セーフ!? 世界のギリギリSP

「世界で起きた航空機トラブル」は、近年の4つの航空機関係の事件を紹介。
 カナダのトロントからパナマへ行く便で、ストレスをためて飛行機を爆破すると口走っている男のため、戦闘機まで出撃してトロント空港に逆戻り。特殊部隊が乗りこんで男を逮捕して機内を捜査したが、もちろん爆弾は見つからず。ただ周囲に当り散らしていただけと確定した。
 台湾から米国ロサンゼルスへ行く便で、産気づいた女性のため乗員と乗客のなかにいた医者が協力して機内での出産に成功。喜びに満ちた機内は米国の別の空港に着陸したが、乗りこんできた警官が女性を逮捕。米国が出生地主義で国籍をあたえるため、あえて米国に来て出産したのではないかと疑ったのだという。女性は強制送還されたが赤子は米国籍が与えられた。このような出来事は、第二次トランプ政権以降はどうなっていくだろうか。
 ユナイテッド・エクスプレス3411便は、航空会社の手違いで乗客4名ものオーバーブッキングが発生し、募ってもキャンセル客が出てこないので会社が排除する客を選んだ事件。3名は会社の指示に従ったが、患者が待っている医師が降りることを拒否した結果、強制排除された。その後、3411便は少し予定より遅れて飛んだが排除を撮影した映像がインターネットで流されて、会社が公聴会に呼ばれて陳謝する事態になった。2017年当時にけっこう話題になったらしく、その後に判明した事情によると、正確にはオーバーブッキングではなく後続の乗組員を運ぶ飛行機が飛べなくなり、乗組員を3411便に乗せようとして客を降ろそうとしたらしい。
 2013年、77歳の男が友人の操縦する軽飛行機に乗っていると、友人が倒れてしまった。男は飛行機の操縦知識はまったくなかったが、管制と通信することができたので必死に指示どおりに飛行機をとばし、暗くなった空港にタッチアンドゴーをくりかえし、4度目に着陸。途中から滑走路を外れてしまったり、足がとどかずブレーキが遅れたり、友人は亡くなってしまっていたものの、無事の生還に成功した。


「水没事故レスキュー」は、米国の雪道で自動車に乗った高校生ふたりが帰宅途中に転落事故を起こす。若くても自動車免許をとれる米国だが、さすがに免許をとったばかりだった。
 川に落ちた車からひとりが脱出し、たまたま通りがかった自動車に助けを求めた。その自動車に乗っていたふたりはシートベルトをナイフで切り、運転手を救出。
 運転手は病院にかつぎこまれたが肺に600ccも水が入り、瞳孔も開いた状態で脳死の可能性と臓器移植の提案が家族になされた。だが、意識がないはずなのに声かけに反応することから家族は延命を要望。低体温症で仮死状態におちいっていた青年は結果的に意識を回復した。
 救われた出来事ではあるが、こういう情報を見ると臓器移植にためらう家族の気持ちを強めてしまうだろうな、という印象ももった。それを理解してなお報道する意義はあるし、長期的に見れば臓器移植をふくめた医療への信頼性を確保することになるとも信じているが。


「村にできた国境」は、2008年のロシア侵攻で領土が事実上うばわれたジョージアで、ロシア側とされた自治領に住む青年の嫁探しを追う。
 ロシアの支配する南オセチア自治領に住む老夫婦は、自分たちの畑にすら行けないことを嘆く。しかし自宅を離れることも選べない。その家族としてロシア側に生きる青年は、ロシア兵の監視と鉄条網を超えてジョージアの親戚に会い、間違い電話で知りあった女性とデートする。
 経験不足でデートでかっこうつけることはできなかったが、青年は自信を深める。しかし女性とは連絡がとれなくなった。またジョージアに行って女性と再会し、早くも結婚を前提とした告白をするが、女性側はロシアには行けない、そちらがジョージアに来るなら考える、と語る。悩んだ青年は家族からはなれてジョージアに行った。
 ドキュメンタリがつくられたのは2016年。スタジオで説明された後日談によると、青年は結局女性と別れたものの、ジョージアで別の女性と結婚。子供たちと映る写真が紹介された。
 番組内では言及がなかたが、現在のジョージアで起きている親ロシア政権打倒の動きと、在日大使のSNSにおける政治的「中立」ぶりを思い出すドキュメンタリだった。