扉や窓をふさいで老若男女が閉じこもっていた屋内に、幼い少年が助けを求めにくる。しかしつづけてゾンビのような感染者が殺到し、老夫婦はたがいを思いやりながら惨殺され、からくも逃げ出した夫は助けを求める妻のもとに戻ることを選ばなかった。
そして感染者が死滅し、廃墟となったロンドンに避難民がもどってきた。施設の責任者となった夫は、外国から呼びよせた娘と息子に再会するが、妻を見捨てたことはごまかすように説明した……
走るゾンビ映画の嚆矢となった*1『28日後…』の続編としてつくられた2007年の英国映画。今年に3作目の『28年後...』が公開予定。
前作監督のダニー・ボイルは脚本や製作になったまではともかく、第二班の監督もつとめているという不思議な配置換え。3作目では監督に復帰するという。
さて2作目の内容だが、誰もが少しずつ自他をごまかし、情報を半端に隠したことで状況がとりかえせなくなっていく。オーディオコメンタリーによると、制作側は「罪悪感」で事態が悪化する物語としている。
ゾンビに襲われる瞬間は見づらい。全体的に手持ちカメラでクローズアップした短いショットをランダムにつないだ感じ。特に冒頭は暗く狭い屋内なので、雰囲気優先にしても襲われているかどうかすらわかりづらく効果半減。手持ちカメラはドキュメンタリタッチをねらったつもりのようだが、むしろドキュメンタリはカット自体は長いことが多いだろう。
冒頭で良いのは閉所から開けた場所に走りぬけようとして無数の感染者に追われるカットなど。遠くの窓ごしにとりのこされた妻を見捨てるカットは両方に共感できるドラマチックさがあり、ヒッチコックのような皮肉も感じられた。
本編に入っても、廃墟になったロンドンを子供たちが彷徨するオフビートな描写は良かった。ヘリコプターのローターで感染者を蹴散らす描写も『ゾンビ』*2をリスペクトしつつド派手で素晴らしい。おそらく低予算作品だが、VFXは堅実で見ごたえある。夜間爆撃は暗さでごまかしている側面もあるだろうが、墓標のような黒々としたビル群をナパーム弾が照らす情景に退廃的な美しさがあった。
またゾンビ映画では死者と生者が区別できなくなる一瞬がジャンルにおける見どころのひとつだが、この映画では走るゾンビとパニックになった群集が区別できない場面がそれにあたる。高所から監視して狙撃する米兵の混乱に共感できる、映画としては素晴らしいシーンだった。
結末は平凡なゾンビ映画のパターンだが、余韻と雰囲気があるので悪くない。
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