2時間SP。冒頭と中盤のショート映像集は、さすがに危険度の高い事例は実際の救出場面が多そうだ。スマホなどの映像撮影可能なガジェットや、監視カメラがいきわたった時代ならではの偶然とらえた映像といったところ。
「イギリス王立救命艇」は、以前にも何度か紹介した英国の水上救助ボランティアの王立救命艇協会を紹介。
ベテラン協会員が救助を求めて同僚に笑われるようなハプニングがあったり、テムズ川の救助に向かったら観光船の女性スタッフが水面に浮かぶ人間を必死で引っぱりあげようとしていたり、さまざまな情景が映しだされる。
なかでもそのスタッフが後日に協会に入り、テムズ川を知りつくしていることが歓迎されたり、実地訓練初日で実際の救助をおこなったりという展開はフィクションのようによくできていた。それだけ長期間取材していたのだろうが。
「ペットヒーロー」は、飼っていた動物にさまざまなかたちで命を救われた人々を紹介。
この種の番組はペットの偶然の行動に意図を見いだしすぎていると感じることが多いが、今回はクマに襲われたところを2匹の犬が協力して助けたとものだったり、低血糖の人間のにおいが変わることに気づいたと思われたりと、犬の習性をうかがわせる事例が多くて納得感があった。
後者も偶然の可能性を除外できないものの、実際に低血糖アラート犬という介助犬の種類があることは初めて知った。
「夢と希望を乗せた医療船」は、40年以上もアフリカの国々をまわって先進治療をおこなうボランティア巨大船の活動を紹介。
以前にも紹介されたが*1、だからこそ今もまだ活動していることに頭が下がる。スタジオで北野武が指摘したようにボランティアだよりではなく国家がやるべきことというのは本当にそうだが、同時に国家の紐付きではないからこそ複雑な政治状況のアフリカでも活動を続けられているのだろうな、と思った。
また、トリアージをおこなわざるをえないことを医療船スタッフが「現実」と表現したことは気になった。翻訳の問題かもしれないが、そこは「限界」とするべきではないだろうか。医療船も見捨てることを合理化はせず、手術できない手遅れな患者に対する緩和ケアもおこなっているわけだし。
キラウェア火山を撮影して、妻にひきとられた娘におくっていた男が、帰り道がわからなくなったトラブルとサバイバルを紹介。状況は違うが前回放送のサバイバル番組*2を連想させる。
危険な溶岩を間近で撮影したが、足元ばかり見ていたため帰り道がわからないという発端はマヌケすぎる。とがった溶岩で足をケガするような失敗もおかす。
しかし火山をはなれてからは工夫して奇跡に助けられながらサバイバルをつづける。オアシスの苔をしぼって水を飲んだり、もう電池がなくなった懐中電灯を水筒がわりにしたり。さらに自転車の反射板を木につけてヘリコプターに気づかれるようにしたり、カメラレンズで火を起こそうとしたり。
反射板のおかげでヘリコプターに乗っていた子供に見つけてもらったわけだが、発端が発端なのでスタジオでは離婚されて娘をとられるのも当然だという反応だった。正直、同意せざるをえない。
「K症候群: ユダヤ人を救出 謎の感染症」は、ムッソリーニ打倒後のイタリアのローマがナチスドイツに占領された時期、ユダヤ人を救った医者3名の活躍を紹介。
ひとりの医師はユダヤ人だが、ファーテベネフラテッリ病院の院長に助けられるように勤務。バチカン市国の病院であるおかげで、比較的にナチスの監視を逃れやすかった。
そして架空の感染症を考案して、次々にユダヤ人を収容。病床がいっぱいになっても、身分証明書を偽造して教会や修道所に退避させた。
さすがに怪しまれて踏みこまれることになったが、事前に察知して偽造書類などは隠し、ユダヤ人に重病の演技をさせて早々に退散させることに成功。
検索するとけっこう有名な出来事のようだが、まだまだ知らない戦時下の救出劇があるものだなと思った。
「シークレットミリオネア」は、億万長者が慈善活動を実体験して困難な人々について知り、慈善団体に寄付をおこなう恒例番組。
今回は自身も幼少期は生活保護を受けるほど貧困だったという女性が登場して、米国ノックスビルで料理をふるまう双子の老場や、音楽を無料で教える学校、病気の子供の部屋を模様替えして気持ちを助ける団体など。
ひとつひとつの慈善活動風景は興味深いし、それぞれの活動も寄付をおこなわせる番組のコンセプトも基本的には素晴らしいと思うが、自己啓発本を書いてベストセラーになったという女性が富豪になれた背景が微妙にノイズだった。
*1:感想エントリは見つけられなかったが、約十年前の感想で類似例として言及していた。『世界まる見え!テレビ特捜部』絶体絶命! 修羅場 - 法華狼の日記