前後とも新作で、鹿島典夫演出に藤田優奈作画監督という組みあわせ。
「骨川スネ夫テレビ」は、のび太たちに好きなテレビを見せてやろうとしたスネ夫だが、どの番組もつまらないと批判してチャンネルを変えてしまう。そこでスネ夫にテレビを作らせてみると……
前期原作の「テレビ局をはじめたよ」*1を思わせる、アニメオリジナルストーリー。伊藤公志脚本に、氏家友和コンテで、最低限に現代的なテレビ番組を見せていく。
ドラえもん視点が主軸になっているところがおもしろい。スネ夫の手作り番組を普通の番組と大差ないと切りすてて見るのをやめるドラえもんだが、のび太たち町内全体が夢中になって、とりあげた商品が売切れていく。
秘密道具に視聴者をひきよせる機能などがあるのかと思ったが、そういう展開にはならない。メディアごとに親しむ層が異なり、いわゆる「オールドメディア」や「インターネットカラオケマン」のような蔑称で異なる層を間接的に攻撃するような時代にあわせて、スネ夫のテレビにのめりこめないドラえもんのとまどいを描く。
しかし猫番組でドラえもんも興味をもってからはスネ夫視点に変わり、ひとりで番組をつくりつづける疲労とネタ切れの問題に直面する。気絶するように寝たスネ夫が朝になっていることに気づかない描写が、実際に制作番組で過労状態になるスタッフのよう。
そしてスネ夫はドラえもんに協力をあおいで、しかもヤラセに手を染める。ヤラセがばれてからは互いをののしる映像がリアリティ番組のように楽しまれる。もう少しテーマを深掘りしてほしいところはあったが、アニメオリジナルストーリーとしては悪くない社会風刺性が感じられた。
番組の最後に実際の仕事をしている人にたずねるパートも、ドラえもんと今回のメインキャラクターが担当するので、アニメ本編で四苦八苦したスネ夫とドラえもんが本職の大人にアドバイスをもらうニュアンスが生まれていて楽しい。
「ショージキデンパ」は、のび太がスネ夫に貸してもらった双眼鏡をまた貸しして、無くしてしまう。また貸しした相手はのび太の鞄に返したと主張し、それを信じたスネ夫ものび太を追及する......
生前単行本未収録作品を2005年以降に初アニメ化。このエピソードにだけ出てくる少年、本山のスネ夫よりは背が高いがしずちゃんより低い頭身など、日常を舞台とした物語にあわせてレイアウトがしっかりしている。下校場面の俯瞰カットもモブの散らばり具合などが良かった。
物語は基本的に原作どおり。のび太が説明する回想シーンでスネ夫の悪口をいう場面にスネ夫のツッコミ台詞が重ねられたり、正直になったキャラクターの細かい台詞がきちんと物語を反映した内容だったりと、脚本なのか声優のアドリブなのか、日常を緻密に構築しつつ、緩慢とした時間をつくらない。原作から大きな足し引きをしていないのに見ごたえがあった。
ついでにスネ夫が重要な役割なので、前半とあわせて今回の放送がスネ夫回らしい雰囲気をつくっている。