法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』どんでん返しがいっぱい!まさかの展開!まさかの結末SP

 2時間SP。


バンコク空港へようこそ」は、タイにある世界最大級の空港で奮闘する職員と、さまざまな客のさまざまな出来事を紹介。
 入国審査で自慢げにしゃれっけを見せる職員だが、客にはけげんな顔をされてダダ滑り。観光客向けの警察も多数常駐し、セグウェイで空港を移動してまわる。そのセグウェイをサービスで観光客に試乗させてあげたりと、番組恒例の空港税関と違って、全体的にのん気な雰囲気がただよっていた。



「キャットフィッシュ」は、インターネットごしの恋愛で、秘密を隠している相手の真相をさぐりつつ、さまざまな顛末をむかえるリアリティ番組
 おなじみというには前回が2月*1なので半年以上たっている。そこでひさびさに紹介するなりの面白味があるのかと期待したが、依頼した青年の相手の女性はただ他人の写真を盗用して演じていただけ。
 一方で青年にも秘密があったと予告でにおわせていたが、すでに女性の正体を知っていて、免許証も見せられていたという。その現実を拒否するために番組に依頼したという。
 一種のサイコミステリのような真相だが、スケールがみみっちすぎてドラマとしてはしょうもない印象しか残らなかった。


「驚きの家族の秘密」は、自分とよく似た人間が周囲に出没した女性と、平和に暮らしていた一家の母親がいきなり逮捕された事件の二本立て。
 前者は女性が養子というプロフィールが語られた時点で、一卵性双生児と誰もが予想できるだろうし、実際そのままの答えだった。義父母は最初は双生児ふたりとも養子にもらおうとしたが実母が拒否し、しかしおそらくは貧しさで結局のこったひとりも手ばなしたという背景に、やや社会派テーマを感じなくもなかったが。
 母親が逮捕された事件は、冤罪により収監されて脱走したという背景があった。若いころに仲の良かった相手が麻薬密売人で、巻きこまれるように逮捕され、検察の口車に乗って実刑判決がくだってしまった。そこで祖父が助けるように脱走させ、プロフィールを偽って平和な家庭を築いたのだという。冤罪だったこともあり一年間の服役で今の家族のもとに帰れたというが、良くも悪くも祖父のバイタリティがすごすぎる……


「すんごい出産ストーリー」は、米国でさまざまなシチュエーションで出産した人々を一挙に紹介。
 ファーストフード店のトイレで自力出産したエピソードは日本でも類例があったと思う。一方、スーパーマーケット内で出産した事例は、店内のさまざまな道具を店員がかきあつめる姿が監視カメラにのこされていて、スラップスティックな面白味があった。ちょっとした映画になりそう。
 ドイツに旅行しようとした女性軍人が経由地のトルコのホテルでひとりで出産した事例は、旅行をキャンセルしないのは無茶だったのではと思わなくもなかったが、国境をこえてひとりの人間が産まれたことで複雑な状況になったところは面白かった。


「王室にまつわるミステリー」は、ロシア皇帝最後の生き残りと期待された王妃アナスタシアをめぐるドキュメンタリ。処刑されたはずの死体の行方と、自称する女性の半生を追う。
 アナスタシアを自称する女性がドイツにあらわれたこともふくめて、さまざまなフィクションの題材にされてきた。1990年代には処刑された家族の埋葬地が見つかったが、アナスタシアの遺体はなかった。
 しかし2007年に子供の遺体が発見され、アナスタシアと推定されていることは今さらながら初めて知った。


「トルコ謎の連続殺人事件」は、2005年にイスタンブールで粘着テープを巻かれた死体が次々に見つかった事件を紹介。
 最初に発見された老婆の死体には手がかりがなかったが、次に見つかった若い女性の死体のメモからホテルのWifiにたどりつき、ドイツから来た客と判明。
 暴力的ゆえ女性と離婚したトルコ在住の夫が犯人と目され、その夫とトラブルになった別のホテル客も死体となって発見されたが、母の年金を勝手にひきだそうとしていたホテル従業員の部屋から母親の死体が発見された。
 最初に殺された老婆は、年金をひきだすため母親の身代わりになってもらおうとしていたが、部屋にやってきて死体を見つけようとしたため殺害。さらに客の夫に同情して離婚相手を殺害、指輪の返却をもとめてきた客も殺害……
 かなり場当たり的な殺人事件だが、誤誘導と伏線の配置がドキュメンタリとしてたくみで、上質なサスペンス映画を見ているような気分になった。