今回は前後ともアニメオリジナルストーリー。
「ニャントカニャール」は、両親からのたのみごとを断りたいのび太のため、猫の手を実際に借りる秘密道具をドラえもんが出してやる。さっそく街全体の猫に助けてもらうのび太だが……
清水東脚本、三宅綱太郎コンテによる、アニメオリジナル秘密道具をつかったシンプルな物語。のび太が困ったり失敗するのは最後の最後だけで、それもあまり致命的ではない。かわりに猫をあつめて踊らせるのが長い石段の上の神社だったり、最後の和菓子屋を田舎道に孤立したように建てたり、背景美術で見ごたえを作ろうとしている。大量の猫が集まる描写も、基本はリピート作画だが色や模様を変えて、実際に多くの猫を手描きで動かしていた。秘密道具のデザインは無駄に装飾的で、あまり藤子F作品らしくない。
秘密道具の制限は、助けてくれた猫にお礼をしなければならないことと、助けてもらえるのは猫一匹につき一度だけというもの。前者は買い物の魚*1を勝手に食べられたのをお礼にしたくらいで、お礼の少なさが問題になったりしない。猫に煮干しをあたえるのは、現在はやめるべきとされているという説明がほしい。後者は街全体の猫に助けてもらったので新たなたのみができなくなり、ドラえもんにたのむという最初に予想できる選択で終わる。しかしそこで街全体の猫にダンスさせた目的が、スネ夫より良い配信映像を作るためというもの。『サタデー・ナイト・フィーバー』等のパロディで映像を楽しくしようとしているが、オチのために登場人物を行動させているのが透けて見えて、あまり感心できなかった。
「野比家の巨大マグロ」は2011年の再放送。15年前と少し古い作品だが、やはりアニメオリジナル縮小ストーリーは映像も物語も良い回が多い。今回の前半と猫が物語にかかわる共通点もあって、楽しかった。
『ドラえもん』野比家の巨大マグロ/四次元ポケットにスペアがあったのだ - 法華狼の日記
*1:魚の骨は記号的に処理されている。