法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ふたりっきりで月旅行/ウルトラリング

 ジャンケンなどで謎解きクリエイターの松丸亮吾なる人物が登場。東京大学の謎解きサークルで頭角をあらわし、さまざまな子供向けの雑誌や番組などで活躍しているらしいが、まったく知らなかった。


「ふたりっきりで月旅行」は、スネ夫に月面生活の話を聞かされ、のび太たちはドラえもんのロケットで月に行くことに。しかしリサイタルの準備に来たジャイアンがロケットに乗りこみ、止めようとしたのび太とともに発信してしまった……
 伊藤公志脚本、森山瑠潮コンテ演出による、ジャイアンの誕生日にあわせたアニメオリジナルストーリー。森山瑠潮は原画にも入っていて、かなり力を入れた宇宙旅行描写が楽しめた。
 一方向からしか光が来ない月面をアニメなりに表現できていたし、空気やエネルギーを補給する設定でSFらしい制限をつくってサスペンスをもりあげる。残念ながら科学考証は厳密ではなく、ロケットが楕円軌道を描かずに月や地球に一直線に向かうし、真空であるべき場面で地上のような土煙が立ってしまっているが、そもそもロケットがドラえもんの秘密道具なので現在のロケットとは異なる技術と考えるべきか。
 地上から救出しようとドラえもんたちが手をこまねくだけでなく、三人乗り自転車のような秘密道具で空に必死で飛びあがる展開も楽しかった。他にもっと良い救出手段があるだろうと思えるが、登場人物は必死にペダルをこいでいるので頭がまわらないのだろうと解釈できる。
 何もかもトラブルの発端のリサイタルのために動きつつ、たいせつなファンとしてのび太を思いやるジャイアンが感動的ではある。もちろんオチもふくめてギャグの範疇ではあるのだが、周囲には生物が存在しない冷たい空間でガキ大将とふたりきりになったいじめられっ子の姿は、どこか児童文学のような香りがただよっていた。


「ウルトラリング」は2019年版の再放送。原作どおりなのだが、年齢層の違いにあわせた原作を同じ世界観のアニメに移すにあたっては、適度なアレンジが必要ではないかと思う。
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