法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』ピンチの時はレンタルで!/動物変身恩返しグスリ

「ピンチの時はレンタルで!」は、掃除機が壊れて困っている母のため、のび太が秘密道具でレンタルしてあげる。それは周囲の人間が使用していない時だけ借りることができて……
 アニメオリジナル秘密道具をつかったアニメオリジナルストーリー。鈴木洋介脚本、小倉宏文監督コンテ、三宅綱太郎演出、吉田誠作画監督という力を入れた布陣。
 物語は、レンタル着物でめかしこんだしずちゃんという現代的な風景*1から、適度な制限のある秘密道具によるちょっとしたタイムリミットサスペンスが展開される。
 骨川母が掃除機をすぐつかおうとするのはペットのチルチルが汚したためという原作設定の活用にはじまり、発売されたばかりの漫画雑誌はそもそも皆がすぐ読んでいるため借りることすら難しく、神成さんの盆栽を借りていたが鑑賞会がはじまって返さなければならなくなる。シンプルな設定から物語の都合でありうる範囲で多様な困難を見せていく。
 そして、ごまかすために借りた盆栽は、ごまかそうとした部長の盆栽だったというオチ。直前に予想はついたが、野比家に来ているからこそ使用していないとみなされ借りられるところは見事に平仄があっている。
 現代的なレンタル画面のUIはシンプルで視覚的にわかりやすいし、部長のキャラクターはデザインも性格も作品になじんでいる。ストーリーからビジュアルまで原作と比べて違和感も遜色もないアニメオリジナル回だった。



「動物変身恩返しグスリ」は2014年版の再放送。楠葉宏三総監督が老齢でもTVサイズでは見事なコンテ演出ができたことが確認できる。しかしざっくり見返すと、感動ドラマから原作オチになる角度が急だな……
『ドラえもん』動物変身恩返しグスリ/雪だるまが町にやってきた - 法華狼の日記

*1:もっとも、ずっと昔の江戸時代にはふんどしすらレンタルされていたくらいなので、着物が個人の所有物となったのは現代の一時期にすぎないのかもしれないが。