「空へ!川へ!花クラフト」は、土手の花の種類が少ないことを残念がるしずちゃんのため、ドラえもんが未来の植物加工用秘密道具を出してやる。花で遊具や衣装をつくるのび太たちだったが……
村山功脚本で、サンライズ出身の大島克也がコンテ演出を手がけたアニメオリジナルストーリー。秘密道具もアニメオリジナルで、植物を好き勝手にいじりまわして楽しんでいく。
予告で感じた自然保護にまつわる観点がいっさいないことに驚いたが、よく考えると人間の望むように植物をいじるのは農業の延長であり人間の文明そのものといえるかもしれない。
しかし提示される加工された植物がどれも派手で藤子Fデザインらしさが弱いし、植物と加工後の物品の関連性も雪合戦の玉を桜吹雪でつくるくらいしかない。もうちょっと植物の特性と関連づけた加工を見せてほしかった。
「ハッピープロムナード」 は、テストが0点だったのび太をはげますため、上を歩くと気持ちが上向きになる秘密道具をドラえもんが出す。それで憂いを忘れて楽しく外出するのび太だが……
こちらも村山功脚本で、2012年にサブタイトルを変えて映像化*1した中期原作をリメイク。
サインを自慢するスネ夫や自信満々に歌おうとするジャイアンなどをアニメオリジナルで追加しているが、それ以外は2012年版よりも原作に忠実。
ただ現在になって見ると、個人宅へ百科事典を売ってまわる職業が視聴者には理解されづらそうな気はした。今後に同じような立場を描くなら、町内イベントの呼びこみくらいアレンジしないといけないかもしれない。