法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『世界まる見え!テレビ特捜部』絶叫SP

「世界やりすぎドッキリ」は、日本では『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』のように建前を変えて形式的には消えたドッキリ番組が、世界各地ではさまざまに残っていることを紹介。
 ブラジルのドッキリはただ一般人に迷惑をかけるだけで文脈も何もなく、怒らせた相手に反撃されたりする。スタジオで指摘されているように、この番組のオープニングでビートたけしが芸人相手にやってる雑なドッキリと大差ない。
 カナダのドッキリは工夫されていて、タキシードでめかしこんだ幼い男児がさまざまな年齢の女性にキザにアプローチしたり。『クレヨンしんちゃん』のようだが上品でかわいらしい。列にならんだ人々に軍人が敬礼を命じるドッキリも、集団心理の実験のようなおもむきがあった。


「アマゾンからの脱出」は、ボリビアを3人で旅していたカメラマンたち米国人男性が、現地ガイドにさそわれて4日かけて原住民の村へ行こうとして、一ヶ月以上遭難した顛末を紹介。
 生還後に知ったようにガイドは現地でも評判が悪く、4日間で行ける村には8日かけてもたどりつけなかったわけだが、米国のカメラマンたちも密林にわけいるには判断力が欠けている。
 靴ずれがひどくなっても仲間の足を引っぱらないためにとギリギリまで申告しない。イカダをつくって川下りで足をつかわないように運ぼうとするが、急流が危険でやめようという泳げないガイドの主張が信頼できないまではいいとして、靴ずれした仲間をガイドにまかせてふたりだけで川下りを楽しもうとする。
 そして急流でイカダが座礁して、ひとりは岸までたどりつけたがひとりは転落。それぞれ仲間をさがして上流と下流へむかうがすれちがってしまう。きちんと思考できていたのは野生動物をスプレーとライターの簡易火炎放射で追いはらったところだけ。
 ふたりは増水した川で流され、ギリギリのところを現地住民に救われる……行方不明になったガイドが最も重い責任がありそうだが、生還したふたりも問題なしとはいえない。スタジオでビートたけしが指摘しているように、生還したふたりが不都合な事実を隠している可能性も感じられた。


「男たちの居場所」は、ノルウェーの中年男性アカペラ合唱団メンズ・コアが、有名ロックバンドのブラック・サバスの前座として歌うまでの日々に密着。
 2018年のドキュメンタリのダイジェストで、BS世界のドキュメンタリーでは「中年男の熱きコーラス」という邦題で放送された。
選「中年男の熱きコーラス」 - BS世界のドキュメンタリー - NHK
 男たちの歌は、哀愁をおびながらやけっぱちな内容。他に仕事をもち、家族にささえられながら、十年前に前の指揮者の代役から入った指揮者に師事している。
 しかし現指揮者の肉体は癌にむしばまれていて、余命一ヶ月と宣告。ライブにまにあえない可能性も高い。それでも仲間たちを楽しく指導して、ついに倒れて自宅で看護されるようになってもかけつけた仲間たちにベッドに寝たまま指揮をとる。
 ダイジェストされてノルウェー社会の描写が減っているためかもしれないが、社会への知見が深まるような内容ではない。しかし哀愁に満ちながらも前向きな人間模様を記録したドキュメンタリとして見ごたえがあった。