法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ドラえもん』宇宙探検ごっこ/正義のみかたセルフ仮面

「宇宙探検ごっこ」は、スネ夫のゲームに入れてもらえなかったのび太のため、ドラえもんが秘密道具を出してやる。それは巨大な風船でつくった星々を探検する子供向けゲームだったが……
 中期原作を2005年リニューアル以降で初アニメ化。パクキョンスンコンテで、作画監督は外国スタッフらしき名前がならぶ。
 スネ夫のゲームの箱に4人用という説明がうつっていたのは解釈違い。もちろん人数制限などないイベントでも人数制限をもちだしてのび太を除外するのがスネ夫ではあるが、このようなゲームでのび太をはずすためなら実際に人数制限がある商品を購入してしまうのがスネ夫だとも思う。
 作画監督まで外国人でキャラクター作画の癖はあるが、宇宙探検を疑似的に楽しむビジュアルは見事に表現されていて問題なし。デザインも原作の延長で違和感なく、はずむような動きも細かくて楽しい。目的の星まで星々をよけなければならなかったり、星の住人との出会い、落ちても安全で跳躍しやすい崖のぼり、クジラの息で浮かぶのび太など、どの追加描写も冒険ゲームとしてのさまざまな種類の楽しみが表現されているし、ゴム風船でできている設定がきちんと反映されている。この秘密道具をオープンワールド化したアクションゲームをしてみたいと思えるほどだった。


「正義のみかたセルフ仮面」は、テレビ番組で活躍する正義のヒーローがほしいとのび太が考えるが、ドラえもんは断る。しかしその夜にのび太が宿題に困っていると、謎のヒーローがタイムマシンからあらわれた……
 2009年に30分枠に拡大してアニメ化*1された初期原作を通常枠でリメイク。こちらも外国人の作画監督。やはりキャラクター作画に癖があるが、手の細かい作画など悪くない。
 のび太の眼鏡に宿題の数式が反射するカットが珍しくて印象に残ったが、オチで再利用。視聴者の印象に残して時系列をわかりやすくするためなら、かなり効果的なアニメオリジナル演出だ。空の色彩変化でも時系列をビジュアル化して、時間がポイントになるストーリー展開を絵としてささえていた。
 ただセルフ仮面の声はマスクごしのくぐもった効果をつけてほしかった。声優の演技も変えていないため、真相を知らない視聴者にも正体がわかりやすくなりすぎている。