法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

「ちゃんと仕事しているかどうかは計画した予算をどういうふうに消化しているかを4半期とかで見ていけばわかる」という倫理学者の江口聡氏と、「四半期をまたぐ利用者、複数手段での利用者などのカウント方法も考える必要がある」という元政策秘書の宇佐美昌伸氏

行政の「お金(予算)はちゃんと使うのが仕事したしるし」という話に驚く某大学教授を見て、支援団体Colaboの会計に不信感をもつのはしかたないなと思った - 法華狼の日記


特に印象的なのは、「お金(予算)はちゃんと使うのが仕事したしるし」みたいな話で、そういうのは自分の職場でも近い表現を聞いたことがあるんだけど、なるほどそうのかっていう驚きがある。
自分のお金なら、「お金はつかわないほうがいい」とか思っちゃうもんね。でも仕事のお金はそうじゃない。

 そのような認識でColaboの会計を見れば不審に思うところがたくさんあることは理解できるし、Colaboへの「疑惑」から会計がクローズアップされたと思うならモリカケサクラがどのように検証されていたかを知らない*2のも当然ではある。

 上記エントリで引用したようなツイートをした江口氏だが、私のエントリへの反応なのか、文面とは違った意味だという補足ツイートをぶらさげていた。


(わざわざ書きなおす必要ないと思うけど)この「お金(予算)はちゃんと使うのが仕事したしるし」は、「ちゃんと仕事しているかどうかは計画した予算をどういうふうに消化しているかを4半期とかで見ていけばわかる」の意味ね。
あ、なるほど、これが誤解のもとか。おそらく書いたときのつもりでは、「自分のお金なら、なるべく使わないで最後にまとめて使った方がよい」(おいしいものは最後に)っていうことを考えてたんだろう。

自分のお金なら、「お金はつかわないほうがいい」とか思っちゃうもんね。でも仕事のお金はそうじゃない。

 しかし上記の補足ツイートには具体的な説明がいっさいないのに、選ばれた表現を見て、むしろ江口氏が何に引っかかっているか「推理」*1できた。


 ちょうど同日、漢数字だが同じ4半期というフレーズをつかい、表面上の数字の齟齬だけでは「推理」の根拠にならないことを宇佐美氏がツイートで指摘していた*2


暇空全面敗北という監査結果を暇空・暇アノンらは受け入れない、受け入れられず、暇空の妄想を羅列した請求内容と辻褄を合わせたがっている。だから、監査委員の岩田喜美枝さんが村木厚子さんの先輩であることを強調し出て、公正な監査は期待できなかったという合理化が見られる。
そもそも暇空も暇アノンも困難女性支援、若年被害女性支援に無知・無理解であり、軽易で専門性のない定型業務かに思っている。だから、いくら開示文書を読んでも理解できず、監査結果も理解できない。そもそも、強い想定を持っているから、監査結果に関するツイでも単純な誤読は少なくない。
そうやって理解できなかったり、誤読していたりする部分も想像、妄想で埋めて、全面棄却という結果はシナリオができていたというストーリーにしている。
委託費の上限を超える経費は団体負担であるから、事業規模をどうするかは各団体が自主財源からどれだけ当事業に使えるか等次第だ。上限付近に規模を収める判断も当然あり得る。返金を生じさせないために監査委員の裁量が働いたかに言うのは妄想に過ぎない。
各団体は自主財源も使い、また当事業では四半期ごとに報告書を提出するため、異なる文書間で一見数字が合わない場合も出てくるが、それを暇空らは粉飾、ブラックボックスかに騒ぐ。差分の原因を辿れば何ら不合理はないし、領収証との突合もされている。
委託事業や補助事業に参加する団体は、団体全部の会計と事業毎の会計、委託費・補助金と自主財源等との区分等々で、報告文書も複数になる。だから、数字の意味を適切に理解しないと誤るのだが、それが整合しており、裏付け資料があれば何ら問題ない。にも拘らず、暇空らは殊更に不透明だと言う。
当事業では人数等様々な数字が報告対象。形態ごとにカウントの特性があるし、四半期をまたぐ利用者、複数手段での利用者などのカウント方法も考える必要がある。確かにその点で開示文書には読みづらさはあったが、不当と飛躍する必要はないし、監査結果をちゃんと読めば明快だが、暇空らはそこを騒ぐ。
コロナ渦の只中なので計画の変更はあり得るし、事業の特性上、支援対象者の状況、活動地域の状況等に応じてより適切な支援のために年度中でも柔軟に対応することはコロナ渦でなくても不可欠だ。柔軟性が民間団体の強みであり公的関与故に阻害されては本末転倒だ。そこの揚げ足を取るのは無知に過ぎる。

 江口氏も研究者として本当は理解しているはずだ。文脈を理解せずに資料を証拠としてつかう難しさ、ひとつの資料を根拠とすることの限界を。
 さらに翌日、暇空茜こと暇な空白氏*3たちの具体的な誤読を宇佐美氏は連続ツイートで指摘していた。


読めてない、読んでない。仁藤さんは「今年度は委託費4600万、補助金1000万円、民間助成3000万円がなくなる」と書いててこの「補助金」はDV交付金。それは暇空・暇アノンも騒いでること。若年被害女性等支援事業の補助金は申請するがわからないと書いていて、それも暇空らは騒いでいた。

これも、読めてないことから飛躍に飛躍を重ねている例。アウトリーチはその必要性とスタッフの安全性確保とがしばしばぶつかりギリギリの判断が迫られる。そもそも、「客引き行為などの検挙が続出」=客引きがいなくなったかに読んでいるが、普通は検挙が続出する程の悪化状況になったと読む。

これも、見解の中で面談同行に触れられているし、先ほどの別項目でアウトリーチの人件費について見解が示されている。そういう読み方すらしない、できない。

これも、読めてない上にそれを前提にして飛躍して頓珍漢に。

ちょっと集中的に拾ってみたが、要はこのレベルの下らなさが羅列されているのが暇空の住民監査請求の中身であるし、監査結果の受け止め方。それで住民訴訟で司法を試すと言っているのだから…。
これも、読めてない。ぱっぷすの絵文字返信は「手法の1つとして12月から1月に試行」したものと明記。「無資格の社員」ではなく「相談員の業務の一環」と明記。定型文は「Yahoo知恵袋」への回答で、「同じような悩みの人を細かい状況の違いによって閲覧が避けられることがないよう」と意図が明記。

こうやって積み上げて「不正だ」「怪しい」「説明しろ」「公表しろ」って騒いでるのが暇空・暇アノンらだし、それを取り上げ乗っかるのが議員・関係者だし、メディアだし、弁護士・言論人・インフルエンサーら。それが現実に支援団体、利用者、行政機関に多大な負担と実害を及ぼしている。

 引用した最後のツイートには、上記で批判されたレベルの「検証」を信じてしまう大学教授や、何人かの漫画家を足してもいいかもしれない*4

*1:かつて支援団体Colaboに対するそれを、好感をもったり評価することを江口氏は表明していた。そこで私は、江口氏の発言を解釈する時、せめて支援団体Colaboに向けられた推理よりは慎重におこなうことにしている。hokke-ookami.hatenablog.com

*2:なお、私は特に「暇アノン」という呼称をつかうことはない。暇な空白氏の陰謀論にのった人々が江口氏もふくめてQアノンに似ていると思うが、そもそも外れた予言への信仰を維持する態度は珍しいものではない。

*3:はてなアカウントはid:kuuhaku2

*4:こちらのエントリ本文だけでなく、コメント欄も参照のこと。 hokke-ookami.hatenablog.com