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1年半前の上記エントリで紹介した作画デグレードについて、独立した話題で理由がうかがえそうなツイートがあった。
デジタル作画はプレビューで動いてるように見えないと不安になる人が多いのかな?チェック時こうなる現場が結構あるんじゃないかなぁ pic.twitter.com/aggWucZGYh
— 栗田新一 (@kurishinBH) 2022年12月17日海外の反応が多くてビックリ。
— 栗田新一 (@kurishinBH) 2022年12月17日
左が良いという話じゃないです。
両方とも良い所と悪い所があります。左の良い所は、引き足からの体重移動、髪、表情変化などアニメーションを考えて描いてる感が伝わる所。
— 栗田新一 (@kurishinBH) 2022年12月17日
悪い所は、後工程の負担が大きいわりに完成画面はガタガタになる確率が高い。そして動画経験が無いことがわかってしまう。右の良い所は、後工程の負担が軽いこと。素晴らしい…定時帰宅だ。
— 栗田新一 (@kurishinBH) 2022年12月17日
悪い所はアニメーションとして面白味がないこと。
ツイートした栗田新一がキャラクターデザインをつとめた『デカダンス』は、ツイッターでアニメーターをさがしたらしく原画に奇妙なペンネームがならび、元気いっぱいな作画アニメになっていた。
だからこそ、そのような作品を経験したベテランアニメーターが、後工程の負担や事故をツイートしたことに重みがある。
引用リツイートしているアニメーターの佐本三国は、単純に動画の技術を学ぶべき問題と意見し、栗田新一自身が補足的にツイートしているように右も問題はあると指摘している。
これはデジタルがどうのこうのとかそんなややこしい話ではなくて、単純にタップ割の重要性を学べば解消する話。こういう問題の本質を切り分けずに、技術の継承が〜とか動画経験が〜とか言う人がこの業界はほんと多すぎるのよ。デジタルかどうかは直接には関係ない。 https://t.co/6DIhqy562W
— 佐本三国 (@dezakinian) 2022年12月18日髪揺れとか、重心移動とかの原画の問題を端折っちゃってるので右の方も問題がないとはいえないってのもあって、より話がややこしくなってると思う。問題の切り分けは大事です。
— 佐本三国 (@dezakinian) 2022年12月18日
他に引用リツイートで同意しているアニメ関係者らしいツイートのなかには、佐々木憲世などが、実際に海外原画に多い印象があるという証言をしている。
海外の原画さんや若いデジタル原画さんに多いイメージ。
— tk (@AHk5hLwLDyZH4bV) 2022年12月18日
時間的に全部に作監入れられない上に2原時に合せられない方が多くてガタガタになってくる https://t.co/O51YbgfGTW
「中割を入れる」発想ができない人多いですよね。特に海外の猛者たち。国内でも、変速シート多用したり無駄に原画多い人てこのタイプだと思います。 https://t.co/GfNkBfgU5c
— 佐々木憲世(のりぱぁ) (@noriyosasa) 2022年12月17日
最近の『プリキュア』で良いアクション演出と、その作画監督には珍しくキャラクターデザインにそった絵を見せた横内一樹も*1、最初のツイートをリツイートして肯定している。
動画やってないから原画から動きが読み取れなくて、どういう原画を入れれば望んだ動きになるのかわからなくて、ソフトのタイムラインで全部描くしかなくなっちゃう、「原画」マンとは違う「うごイラ」マン、いま各社が懸命に増やしてると思う。
— 横内一樹 (@yoko_IKKI) 2022年12月17日
宮尾佳和や小谷杏子は、後工程もクリンナップまでは担当する必要性を指摘。
①の方はバストアップで決め台詞(決めカット)の時なら効果的だと思うけど、それ以外の時も同じようにゆらゆら動かれるとフィルム全体の緩急が無くなるから好きじゃない。
— 小谷杏子 (@koni_ko222) 2022年12月17日
あと作業者が原画までやらないなら却下する。
動画で中割してもらった方が最終的に綺麗な動きになる場合も多いし。 https://t.co/LHJTdYoAMF
事情があるから
— 宮尾佳和 イナイレマギTEKKENの監督 アニメマンガ事業と不動産の兼業でLike-Workを目指す (@sbs_miyao) 2022年12月17日
2原に分けるんだが。
という前提で
1原のみでこの内容だと
以降引き継ぐ人や
工程への配慮と
枚数入れすぎの自覚がない
無責任な仕事だと判断。
自分で責任取らんなら。
枚数少なくても
感じ出てる方が良いな。 https://t.co/AFx6VPz1vm
レイアウトに第一原画に第二原画と工程の細分化が一般的となり、1カットをひとりが責任をもってクリエイトできない、そのような時代の問題なのかもしれない。
TVアニメからアマチュアリズムが消えていく時代。それは多くの視聴者が望んだことでもある。
とはいえ、そうして視聴者に歓迎された京都アニメーションが、後工程の負担を理解させるため雇用したスタッフにさまざまな部署を経験させていた方針は正しかったという話でもある。