法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2話 呪いのモビルスーツ

ルール違反のモビルスーツガンダム」としてエアリアルは捕獲され、スレッタも拘束される。父自身が決めたルールをやぶって強制的に結婚されそうになったミオリネは反発して飛び出すが……


脚本は前回につづいて大河内一楼で、コンテは意外な京田知己。エンディング後の空間を広くとった戦闘演出がそれらしい。珍奇なギミックと派手なデザインも戦争ではなく決闘というゲームのためと思えば理解できる。
その決闘は作品フォーマットと思いきや、次回へもちこしとなったが、冒頭の拘束だけでなく、先述のエンディング後のアクションを物語に関係なくても挿入したあたり、逆にメカ描写をノルマとして毎回入れようとする意志が感じられた。


物語の構造としては、学園の子供と企業の大人がたがいに影響をあたえるところが重視されている。
過去の大河内一楼シリーズ構成作品でいうと、学園ごと漂流する子供と大人が対立する『革命機ヴァルヴレイヴ』より、大人の社会問題が子供の学園社会にもちこまれる『コードギアス反逆のルルーシュ』に近いか。
プロローグで危険視され隠滅されたガンダム技術を第1話で堂々とつかった問題にしっかりツッコミが入り、学園の内と外でエアリアルについてさまざまなキャラクターに議論させて、世界の設定やキャラクターの立ち位置を明確にしていく。ミオリネが選択するドラマもクライマックスに配置されてドラマも定番のもりあげだし、その子供らしい主張がとおるだけの周囲の思惑もあらかじめ描いていて違和感がない。
しかし第2話にして決定者によってかなぐり捨てられたように、良くも悪くも決闘ルールは今後あまり重視されないかもしれない。もちろん第3話でルールとして強固に固定されていく可能性もまだあるが……