これはさすがにジブリから苦情がくるかもしれません。
— アニメてにをは/石曽根正勝 (@animeteniwoha) 2022年5月28日
1997年当時、ジブリで新人2年目のぼくの給与明細です。
いまだにアニメ業界の給与の低さが問題になっているので、古い資料ですが、「ジブリではこうだった」という証言として、ここに掲載しておきます。 pic.twitter.com/sJXA1qZ0Ve
上記ツイートが多数のリツイートやいいねを集めて、WEBメディア「まいどなニュース」*1でインタビューを受けていた。
maidonanews.jp
仕事の過酷さも考慮すれば当時でも「微妙」で、理想をいえば厳しい給料だと思うが、アニメ業界では当時から現在まで比較的に良好な金額や手当だという印象もある。それはジブリが良かったというより、アニメ業界の大半に問題があるということだが。
また石曽根氏は大卒だったそうだが、高卒でも専門卒でも大卒でも初任給は変わらないというジブリ独特のシステムもこの給与額に反映されているという。これはアニメ業界では珍しくないのかもしれないが。
ツイッターでは質疑応答がつづいているが、文章が短く話題も寸断されていて読みづらい。
しかし石曽根氏のツイートを読んでいたところ、はてなブログでくわしい回想が書かれていることを知った。
animeteniwoha.hatenablog.com
もともとFacebookに書いていた文章を移転したらしい。かなり文字数があるので少しずつ読んでいく予定。
とりあえず、当時の演出助手の上司と対立したことが遠因となってジブリを辞めたらしい*2。
また記事にもあるが、石曽根氏は最近までスタジオジブリの冊子『熱風』で技術面からジブリ作品を解題して、ツイッター上でも「アニメてにをは」というレイアウトから宮崎駿作品の手法を解説している。
togetter.com
その解説コンテンツに注目を集めることも意図して公開したという。実際、物語面からの解題がされがちなジブリ作品において、「アニメスタイル」的なまとまった批評が興味深い。
元関係者ならではの信頼性もある。ブログエントリを読むと、そうした人間関係にばかり注目されるのはもちろん不本意とのことだが……
gと烙印:第13話~学会、論文、同級会、そしてジブリ。貼り雑ぜ帳 - gと烙印
「ジブリで働いていたのだからそう言えるのであって……」という、先に書いた、語りの《切り口》よりも、語り手の《出自》だけが問題にされて終わり、という可能性は、十分にある。